幻冬社ルネッサンス文庫から今月発売された新書「電車で学ぶ英会話」。
著者の山本翼さんから、献本をいただきました。少しずつ読み進めています。
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著者の山本さんは、英国キングストン大学の大学院を修了し、高松琴平電鉄(ことでん)に勤務したユニークな経歴の方。その経験を生かして、鉄道業界における英会話活用の現状と、英語の学習方法についてをコンパクトにまとめたのが本書です。
タイトルから学習参考書をイメージしますが、どちらかというと読み物に軸足を置いた内容です。ことでん時代に学んだ鉄道業務での英語の活用方法や、アナウンスや会話でよく使われる助動詞など、鉄道をよく利用する人間にはとても興味深い内容が綴られています。
第1章 鉄道業界の現状
第2章 日本人の語学力伸び悩みの原因とは?
第3章 英語は難しくない! 元車掌が教える英会話学習法(レクチャー編)
第4章 習うより慣れよ! 元車掌が教える英会話学習法(実践編)
第5章 ワードバンク
中でも面白かったのは、第4章実践編の「色々な英語アナウンスを各鉄道事業者の事例から学ぼう」。「この列車は各駅に停車します」「まもなく有馬温泉駅に到着します」「黄色い線の内側にお下がりください」など、電車に乗っているとよく耳にする英文が豊富に紹介されています。すでに耳に馴染んでいる言い回しばかりなので、テキストで読むと、文構造や単語が頭にするすると入ってきます。英語に苦手意識のある鉄道ファンには、ここから読むと良いかもしれません。英語の学習方法についての情報も豊富なので、「苦手な英語をもう一度勉強したい」と思っている鉄道ファン(ガチガチのファンでなくてもok)が、とっかかりに読む本として最適です。
個人的に惜しいのは、実践編のボリュームがやや少な目に感じること。具体的な事業者別に、利用者にとってお馴染みの英語アナウンスをもっとたくさん掲載してくれたら、さらに興味を惹いたと思います。同じ「まもなくxx駅に到着します」という意味の英文アナウンスでも、各社ごとにこれだけ表現が違う、A社はアメリカ英語だけどB社はイギリス英語だ、C社の表現はややぎこちない…とか比較してくれたら、どんなに英語が苦手でもあっという間に読んでしまうと思います。「ヨコハマミネサポサブウェイ」の「ミネサポ」とは何か、とか。続編も期待しています。