コンパクトデジカメの革命? DP1

F001

 シグマのコンパクトデジタルカメラ、DP1の発売が、いよいよこの春に決定した。

 これは…… やばいですよ。

 DP1は、コンパクトデジタルカメラの革命ともいえる存在だ。

 普通、コンパクトデジタルカメラは、デジタル一眼レフカメラよりも遥かに小さな撮像素子を搭載している。一眼レフの撮像素子を従来のフィルムに例えるなら、コンパクトデジカメの撮像素子は、小指の爪ほどの大きさということになる。

F004_2
このくらい大きさが違う

 撮像素子が小さいと、レンズを含めてカメラを小型化できる一方、画質的には不利だ。携帯電話のカメラは、チリチリしたノイズがたくさん入って、普通のデジカメより相当画質が悪いことは誰でも知っていると思う。あれは、携帯電話の撮像素子が、コンパクトデジカメよりずっと小さいからである。

 さて、DP1。こいつは、コンパクトデジカメでありながら、デジタル一眼レフと同じ大型の撮像素子を搭載している。しかも、レンズは28mmF4単焦点。ズームはなし。利便性よりも、画質に極限までこだわったコンパクトデジカメなのだ。

 シグマの撮像素子は、世界的にも極めて珍しい、FOVIEN X3というものを使っている。難しい話で省くが、普通のデジカメが、1画素につき1つの「点」を表現しているのに対し、FOVIEN X3は光の3原色それぞれに画素を割り当て、3画素で1つの「点」を作る。だから、1400万画素とはいえ、できあがる画像は、2640*1760pixel。通常のデジカメの、465万画素相当のサイズしかない。

 しかし、色に対して贅沢に回路を使うので、とても豊かで自然な色が出せる。

 今回、そのDP1で撮影した画像がはじめてネットで公開された。エチケット違反を承知で、1日だけ直リンする。この写真を見てほしい(元の記事はこちら)。

 ……とんでもない画像である。偽色が全く存在しない。レンズが高性能なので、歪みもない。とてもコンパクトデジタルカメラとは思えない高画質だ。手軽なスナップ写真で、これだけの画像を撮影できるなら、ぜひともほしい。

 ただ、弱点もある。まず内部処理に時間がかかるので、動作が全体に遅い(らしい)。また、FOVEONの特性上暗いところの撮影に弱い。シンプルなレンズを搭載したため、接写もできない。そして、コンパクトとしてはかなり値段が高い。

 まあ、高いと言っても10万円である。10万円でこの次元の画質を手に入れられるのなら、決して高くはない。むしろ安い……はずだ。発売は、春とのこと。

 問題は、財源だ。