韓国の焼肉屋がピンチ

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 BSEによってアメリカからの牛肉の輸入が止まり、韓国の焼肉屋がピンチだ。
 とにかく牛焼肉だけが、突出して値上がりしている。
 釜山のある店は、去年春の段階でタレ付きカルビ1人前1万5000Wだったのが、昨年11月にチェックしたところ2万Wに、そして今年の春再チェックしたら2万4000Wに値上がりしていた。ソウル市内のなじみの店も、相次ぐ値上げで牛肉類のメニューだけ値段がぐちゃぐちゃだ。店でも混乱しているのか、メニューによって値段が違い、日本人が見たら「日本語のメニューだけ値段を高くしている」と誤解しそう。店主は、「カルビは、もう時価みたいなもんだ」と苦笑いしていた。
 店主によれば、仕入れ値が倍近くに跳ね上がっているらしい。しかも、これまで主流だったカリフォルニア牛が輸入できなくなったので、国産牛を使うしかないのだとか。「国産韓牛はたしかに美味しいが、脂身が多いので、しょっちゅうは食べられない。むしろ輸入牛のほうが、飽きの来ない味だったのに」。
 南大門市場にある焼肉店は、「うちは市場の中にあって、お客さんはみんな庶民なんですよ。だから、どうしても値上げするわけにはいかなくて…。タレ付きカルビは、しょうがないので少し量を減らしたんです。その代わり、おかずを増やしたりしてるんですけど」。
 さらに逆風となっているのが、昨今のウェルビーン(well being)ブームだ。
 ウェルビーンとは、まあ一言で言えば健康ブームで、脂肪が多い肉類を嫌う人が増えている。
 よりコレステロールの少ない鶏肉が人気を集め、最近は激辛鶏料理の「プルダク」ばかりがもてはやされている。
 最後の望みは日本人観光客だったが、
「独島問題のせいで、3月以降全然お客さんが来ないんです」。
 町中には、だいぶ日本人の姿が戻ってきたが、以前のように店に入ってくれないのだという。
 たぶん、最近のウォン高・円安も影響しているのだろう。
「独島なんて、私たち庶民にとっては全然関係ないことだし、正直関心もないんですよ。でも、政治家の人たちの駆け引きのしわ寄せが、みんな私たち庶民に来ていて…。困ってるんです」
 商売をしている人たちは切実だ。
 「韓国の焼肉は豚こそ旨い」と言っている自分が、ちょっと申し訳なく思えてきた。

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