さて、OLYMPUSの新しいコンパクトデジカメ、STYLUS1を買った。ミラーレス1眼のOM-Dによく似たクラシックな外観を持ち、35mm換算で28-300mm F2.8という、大変高性能なレンズを搭載したコンパクトカメラだ。
300mmだ500mmだといった超望遠ズームレンズを搭載したコンパクトデジカメはいくらでもあるが、従来機のレンズは一度に多くの光を取り込むことができず、シャッタースピードが遅くなった。シャッタースピードを補うために感度を上げて画質が落ち、光の特性上背景をきれいにぼかすこともできなかった。
STYLUS1のレンズは、一眼レフカメラのプロレンズ並みに多くの光を取り込むことができる。レンズの解像力も比較的高い。 もちろん、コンパクトカメラなのでミラーレスや一眼レフと同等の画質とまではいかないものの、かなり高画質な写真を撮ることができるはずだ。
僕は普段、仕事ではオリンパスのミラーレスカメラE-P5を使っているが、望遠側は200mmまでしか持っていなかった(数字が大きいほど望遠)。僕の仕事だと超望遠レンズが必要になるケースは限られるが、やはりより望遠の写真を撮りたくなることはある。それに、いくらミラーレスが小型軽量とはいえ、毎日望遠レンズを持ち歩くのはなにかと不便だ。重さはともかく、カバンのかなりの部分を占めてしまう。
そこで、ミラーレスを補完するサブカメラ、あるいは写真の仕事ではないときでも手軽に持ち歩いて、いざと言うときはちゃんと撮れるカメラとして、購入したというわけ。
以上。言い訳 説明おわり。
ふう、生活環境が変わると、カメラひとつでも言い訳 説明が大変だ。
さて、昨日は午後に時間を作って、早速STYLUS1を試してきた。
西馬込の、東海道新幹線の撮影ポイントだ。国道1号を越えたところで新幹線は高架線から切通に入り、側道の坂から比較的きれいに列車を狙える。
週末とあって、大きなカメラを持った撮り鉄の方が何人も陣取っていた。
皆さんニコンやキヤノンのカメラに巨大な望遠レンズをつけ、三脚を立てて撮影しているなか、僕はちっこいSTYLUS1で、しかも手持ち撮影だ。「素人がきた」と思われていたかもしれない(笑)。
そうして撮った写真は、こんな感じ。
先に良くない点を言っておくと、やはりセンサーサイズが小さいためディテールの描写はレンズ交換式カメラとは差がある。等倍で見ればカリッとした描写ではないし、高倍率ズームということで、前照灯にはほんの少し色のにじみ(収差)も出ている。
しかし、全体的にはコンパクトカメラとは思えない仕上がりを見せてくれた。写真全体を表示した時の解像感はかなり高い。手ぶれ補正は、レンズを動かすレンズシフト方式。最近のオリンパスカメラやタムロンのレンズで見られる、ピタッと吸い付くような補正ではなく、細かい揺れを吸収してくれる感じ。望遠側で1/30のシャッタースピードといった無茶な条件には耐えられないが、必要十分な補正機能だ。
動作も軽快。起動は1.5秒程度、ズームもサクサクとうごき、AFも速い。何より、シャッターボタンを押した時の動作が軽快で、コンパクトカメラにありがちなもたもたした感じがほとんどなかった。
こちらは、2倍のデジタルズームであるデジタルテレコン機能を使って撮影したもの。要は写真の中央を切り出したものに画像処理を加えたもので、さすがにベタッとした感じは出てしまう。が、ブログなどに使用するぶんには十分だ。
こちらは、陸橋の上から撮った成田エクスプレス。このカメラの大きな利点として、レンズが小さいので金網越しでも金網に邪魔されずに撮影できるケースが多いということが挙げられる。新幹線をまたぐ陸橋ということで、かなり目の細かい金網が使われていたのだが、なかなかきれいに撮れた。
こんな感じ。そんなわけでこのカメラ、期待した通りの働きをしてくれそうだ。荻窪圭氏も言っているが、ネコ撮りカメラとしてもかなり期待ができる。