ソニーRX100

コンパクトデジカメは、2年ほど前からソニーのRX100を使っている。

ソニーが2012年に発売した1インチCCDのコンパクトカメラで、発売から7年が経過し、最新の「mark7」が発表された今も、現行製品として販売されている珍しいデジカメだ。

7年前の製品なので、機能はシンプルだ。タッチパネルもなければ、ファインダーも、Wi-Fi機能もない。液晶パネルは固定式で、動画はフルハイビジョンですらない720p止まりである。

それでも、このカメラが今でも人気なのは、カールツァイスブランドのレンズの描写が素晴らしく、シンプル・コンパクトで高画質なカメラを3万円前後で購入できる点にある。僕が購入したのは2017年の年末セールで、2万8000円ほどの底値で新品を買えた。楽天ポイントを使ったので、2万円ちょっとしか払っていないはずだ。そして、画質は確かに素晴らしい。一昨日の那珂湊の花火も、このカメラで撮影した。

余部鉄橋。風景写真の抜けの良さ、自然な風合いはスマホとは一線を画す

レンズは、28〜100mmF1.8-4.9。一応、3.5倍ズームということになるが、F値が高い(暗いところでも光をたくさん取り込める)広角側が最も画質がよく、28mmF1.8の単焦点レンズに、おまけでズームレンズがついてくるという感覚だ。Wi-Fiがついていないので、Wi-Fi内蔵SDカードである東芝FlashAirを使って、スマホに画像を飛ばしている。

100mmながら、ほどよく背景をぼかすことができる

仕事のメインはあくまでオリンパスOM-Dで、RX100は普段のスナップ及びメモ用のサブカメラという扱いだったが、画質が良く、抜群に小型軽量なので、しばしば仕事にも使っている。RX100と、890gのノートPC・ChromebookC101PA(またはiPadPro)の組み合わせは実に機動力が高い。JetstarのようなLCCを利用した出張にぴったりだし、カメラマン同行の取材ではこれだけを持っていくことが多い。

露出が極めて優秀、AFは速くはないが確実

もちろん、力不足の面もある。望遠側が100mm止まりなのは使いづらい。晴天の屋外では液晶はほとんど見えず、動画も、画質・手ぶれ補正ともに物足りない。オートフォーカスなど全体的なレスポンスがゆったりしているのも、とっさの時に困る。基本は、気軽に毎日持ち歩き、気に入った風景をぱちりと撮るのが本来の使い方だ。

露出コントロールが非常に優秀。暗いところは暗く、明るいところは明るく見せてくれる

そこで、思い切ってRX100mark7を予約した。24-200mmという焦点距離に、プロ用フルサイズミラーレス一眼と同じAF/連射システム、ワンタッチで収納できるファインダー、Wi-Fi、4Kフルハイビジョンに5軸手ぶれ補正、さらに外部マイク端子と、ほぼ考えうるすべての機能が盛り込まれ、デザインとサイズは初代RX100とほぼ同じ。10万円超えと、コンパクトデジカメとは思えない値段だが、それだけの価値はある。特に機動力重視となるウェブ記事の取材には、きっと活躍してくれるだろう。思い切って5年ワイド保証に加入したので、紛失しない限り、5年間故障を恐れず使うことができる。

OM-D以降、すっかりカメラ欲は収まっていたのだが、このカメラは仕事用としても買う価値がある(言い訳)。

星空もよく撮れる。これは塀の上に置いた状態でシャッターを開いて撮影

mark7の発売日は8月30日。9月1日からの取材(と言う名の乗り鉄旅行)から使うことになる。楽しみだ。