PHSの思い出

現在我が家にある歴代PHS。上のイエデンワ2のみ現役

昨日、2018年3月31日をもって、ワイモバイルのPHS新規受付と機種変更、料金コース・オプション変更がすべて終了した。既存のユーザーは今後も利用できるが、ワイモバイルはスマートフォンへの移行キャンペーンを行っており、緩やかに終焉に向かうことになる。

PHSのサービスが始まったのは、僕が大学4年生だった1995年7月1日。それから22年9ヶ月、基本的な技術は全く変わっていない。ドコモのmovaが19年、Fomaが18年だから、今のところ世界で最も長期間サービスを提供し続けているモバイル通信サービスだ。

僕が初めてPHSを購入したのは、就職が決まった1995年秋のこと。三菱電機のTL-PH7という機種だった。ニッカド電池、連続待受時間50時間、連続通話時間2時間という、恐ろしく低スペックな端末だった。

当初は、携帯電話にかけられない、NTTの営業エリアをまたぐと切断される、エリアが極端に狭いなど、使えないイメージが強かったPHSだが、次第に改善。1999年に登場した「エッジ」シリーズで、ほぼ完成した。この時発売された、三洋電機のPHS-J80は、軽い、つながる、途切れない、電池持つ、音質良し、メール有りと、今でも使いたいくらいよくできた端末だった。

2001年から、パケット通信使い放題のルーツであるAirH”サービスが始まったけど、ちょうどこの頃は退職と韓国留学の時期に重なり、あまり波に乗れていない。PHSは親に持たせて、そのまま維持した。僕あての着信はほとんどなかったようで、当時いかに友達が少なかったかがわかる。

帰国後、メール定額サービスを始めたvodafoneを契約、はじめて携帯電話というものを持ったが、通話料の高さと音質の悪さに辟易し、ほとんど待受専用になった。PHSは、Operaブラウザを搭載した京ぽんことAH-K3001Vなどを経て、スマートフォンの元祖的存在であるW-ZERO3シリーズを使用。この頃がいちばんワクワクした。

今は、iPhone8Plusをメインに使っているが、電話番号はPHS由来の070だ。ほぼ2年ごとに機種変更を繰り返し、2014年に暴力的なキャッシュバックと値引きを行っていたauのガラケーに移行。19年使ったPHSを卒業したが、auが採用したcdma2000方式の音質の悪さに悩まされた。2016年にウィルコムを吸収したワイモバイルのSIMに移行して、現在に至る。

そして、今日、PHS新規受付最終日に、4年ぶりにPHSをワイモバイルの店舗に持ち込んで契約した。2014年に、無料で入手していた固定電話型PHS「イエデンワ2」。非常に大きなアンテナを備えており、極めて安定した通話品質を備える端末だ。記念に回線契約を入れるだけなら月額無料だが、思い切って「スーパーだれとでも定額」を追加。電話取材などに活用することにした。

PHSサービスインから新規受付終了まで22年9ヶ月。この間、僕が使ったPHSは全部で17台。最後の1台となるイエデンワ2には、停波の日まで頑張ってもらうつもりだ。

iモード勝手サイトが見られるようになった味ぽんことAH-J3001V。日本無線の端末は電波がよく入った

00年代前半に一世を風靡した京ぽんことAH-K3001V。感度は日本無線より劣る印象だった

初めて購入したスマートフォン、W-ZERO3[es]。WindowsMobile搭載で、キーボードをつないだりして遊んだ

最もよく使ったAdvanced/W-ZERO3[es]。当時としては完成度の高い端末だったと思う

震災で大活躍、抜群に使いやすかったHONEYBEE4(WX350K)