そういえば、年末に西武池袋線の旧入間川橋梁を見て来た。西武池袋線の仏子〜元加治間にあるガーダー橋で、池袋線の前身である武蔵野鉄道が池袋〜飯能間を開業させた1915(大正4)年に建設された。複線化に伴い、1969(昭和44)年に現在の橋梁に架け替えられたが、その後も撤去されることなく残っている。
特に文化財というわけでもなく、なぜ残されているのかははっきりしない。厳重に柵が設置されていたが、柵がなくても渡る気にはとてもならない。
「今日はお天気がいいですねえ」
上流の道路橋から、新旧の橋を眺めていると、折り畳み自転車に乗ったお爺さんに話しかけられた。
「以前は赤い電車がたくさん走っていたけど、最近は黄色い電車も少なくなったね。この前は、とってもきれいな模様のついた電車を見たよ」
「52席の至福」のことだろうか。古い鉄橋も残っていて、ここは眺めが良いですね。なんといっても、今日は天気が良いからね。そんな他愛もない会話を交わした。
「東京の方ですか。ゆっくり散歩してみてください。そうだ、たいしたものはないけど……」
お爺さんがポケットから取り出したのは、きんかんのど飴。
「甘い物があるといいですからね。これどうぞ」
昔から、お年寄りやおばちゃんにモテるのだが、「お爺ちゃんにあめ玉をもらった」のは久し振りだ。↑の写真は、すでに口に放り込んだ後である。
ちょっと楽しい気分の、冬の散歩だった。