広野での夕食

広野駅での列車の折り返し時間はわずか5分。

それではもったいないので、2時間後の列車までぶらぶらしてみることにした。

「いわき市内に戻りますけど…、電車で戻ることに、意義があるんですよね」

女性と別れ、駅前通りを歩いてみた。

駅前はひっそりとしており、深夜のような雰囲気だったが、しばらく歩くと、開いている店を発見。

雑貨屋を兼ねた、精肉店だ。

肉のショーケースには生肉しかなかったが、コロッケとハムカツならできるとのこと。ひとつずつ買い求め、駅で食べることにした。各70円、計140円。

できたては、やはりうまい。

これで一息ついた、と思ったら、駅前の料理屋が17時から営業を始めた。

ビールでものもうと入ってみると、「今日はほとんど何もないんだよね。それでもいい?」

適当に刺身を頼むと、冷凍物ばかり。確かに、鮮度はいまいちだったけど、ここ広野で食べるということに意味がある。

思いがけず満腹となり、18時40分の列車でいわきに戻った。

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