テキスト入力ツール「ポメラ」に新型登場

Dm20

 キングジムが昨年発売し、大ヒットしたデジタルメモ「ポメラ」に、新型が登場した。

 ポメラは、「テキストを入力する」、それだけのためのツール。カラー液晶や通信機能、メール、ウェブブラウザといった今風な機能をことごとく省き、しっかり入力できるキーボードと日本語変換ソフトATOK(組み込み用)だけを搭載した、潔いエディタだ。僕も、発売直前に値段が下がったタイミングをつかみ、発売日に購入した

 今回発表された新型DM20は、「プレミアムモデル」と銘打たれた正常進化版だ。視認性のばつぐんに良いモノクロ液晶は4インチから5インチに拡大され、原稿用紙20枚分しか一度に入力できなかった エディタは、70枚分(全体で7万枚分)に拡大された。

 他にも、ATOKに30種類のオプション辞書が搭載されたり、フォルダ管理機能や、CtrlキーとCapsLkキーを入れ替える機能、500個まで登録できる定型文など、全体にライターなどプロの物書き向けの機能が強化された。

 中でも面白いのは、QRコード作成機能だ。

 この機能を使えば、最大3200文字までのテキストを、携帯電話などで読み取れるQRコードに変換してくれる。画面に表示されたコードを、携帯電話などのカメラで認識させれば、通信機能がなくてもテキストを転送できるというわけ。文字入力が快適なポメラでメールやブログの記事を書き、携帯電話で読み取って送信、といった使い方ができるわけだ。

 コストアップにつながる通信機能を載せずに、携帯電話やスマートフォンとの連携を可能にしたアイディアは素晴らしい。iPhoneでも、QRコード読み取りアプリ「QuickMark」を使えば、読み取ることができるそうだ。今は、いったんメール作成画面にペーストしないと使えないということだが、いずれポメラに特化したアプリが出てくるに違いない。この機能だけでも、購入したいと思うほど面白い機能だ。

 希望小売価格は3万4650円。実売価格は2万7000円前後だそうで、少々高めの印象だ。それほど数が出る製品とは思えないし、ある程度コストアップするのはやむをえないのだろう。

 正直に言えば、内蔵ATOKの標準辞書はもう少しなんとかしてほしいが、完成度が飛躍的に高まった、物書き御用達のツールになるだろう。

 僕も一台ぜひほしい。まあ、予算はないのだけど。