臨津閣のマト2形蒸気機関車

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5年ぶりくらいで臨津閣へ行ったら、朝鮮戦争で破壊された蒸気機関車が展示されていた。

この機関車は、マト2形。日本統治時代に製造された、川崎重工製蒸気機関車だ。1950年12月31日22時頃、現在は非武装地帯となっているチャンダン駅において北朝鮮軍の襲撃を受け大破、放棄されたという。

長らく、チャンダン駅のあった場所に放置され、都羅展望台などからその朽ちた姿を見ることができたが、このほど指定文化財に登録。保存処理を施された後、この6月から臨津閣で一般公開された。

展望台から見たときは、さびたボイラー上部しか見えなかったが、間近で見ると、動輪や連結器などもしっかり残り、機関車としての原形をとどめていることに驚く。そして、何より衝撃的なのが、その車体に開いた無数の弾痕だ。

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分厚い鉄板にあいた大小さまざまな穴を見ると、相当な火力をもって攻撃されたことがわかる。これだけの火力で攻撃された機関車の乗務員が、今も生存しているとは、にわかには信じがたいほどだ。

今まで、数々の戦争史跡を見てきたが、原形をとどめている分、生々しさは他を圧倒している。

板門店観光などで臨津閣をおとずれたら、必ず間近に見てほしい遺跡だと思う。