消えゆく中野四十五番街

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 オタクの殿堂?中野ブロードウェイの早稲田通り側出口の横に、注意深く見ないと存在すら気づかない小さな路地がある。

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 この、路地とも言い難い私道の奥にある、自称「明るい飲食店街」が、中野四十五番街だ。

 新宿ゴールデン街がサブカルチャー的な臭いを発し、思い出横丁が観光名所に変貌する中、中野四十五番街は、今も昔ながらの路地裏飲食店街の姿を守っている。いや、守っているというよりは、その存在を忘れられていると言ったほうが良いかもしれない。

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 子供の頃は、「秘密の道」などと呼んだ四十五番街も、今や取り壊しが進み、風前の灯だ。立ち寄るたびに、店が減っている。

 戦前の文化住宅の生き残りだったサキガケ荘は「メゾン・サキガケ」となり、大正後期の二軒長屋だった僕の実家も、今はコイン駐車場だ。

 だんだん、中野からも風景が失われていく。

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在りし日のサキガケ荘 (2002年6月)。ネコのたまり場であった。上の3枚目の写真の右奥に写っているのが、現在のメゾン・サキガケ。