ご飯のおかわり自由

 ご飯のおかわりが無料の定食屋で夕食。

 おかわり自由と聞くと、一膳目はどうもおかずをケチケチ食べてしまう。根っからの貧乏性だ。

 今日も、肉野菜炒めを1/3ほど食べたところで、一膳目が終了した。

 この店は、おかわりはセルフサービス。これが、女性客の少ない理由のひとつになっている。

 茶碗を持って、席を立とうとしたそのときだ。

「ああっ!」

 奥の厨房から、店員の小さな悲鳴が聞こえた。客の注目が、厨房に集まる。

 ややあって、奥から出てきたおばさん店員は、茶碗を持って立ちつくしている僕に言った。

「すみません、炊飯器のスイッチが入っていなくて、ご飯がなくなっちゃったんです。しばらくお待ちいただけますか」
「どのくらいですか」
「今スイッチを入れたので、40分くらいですね」
「……」

 このおかず、どうしよう。

 まだ注文した物が出ていない人には、代金が返金さされた。しかし、僕はご飯1膳、おかず1/3を食べてしまっている。しょうがないので、食券販売機で、生ビールのチケットを買った。

 ビールを一口飲んで、思った。

「このビール、ご飯の代わりにサービスでくれって言ったら、通ったかなあ……」

 イケてない日は、発想もイケてない。

コメント

  1. ひろし より:

    そんな不運もあるんですね。でも、ビールを飲むことに
    決めたと言う決断がすばらしいとおもいます。
    でも、炊飯器のスイッチが入ってなくて残念でした。

  2. かんりにん より:

    いやあ、あのおかずを消費するには、ご飯かビールしか考えられませんでした。
    あ、「じゃあ、そこのオリジン弁当で買ってこい」って言えば良かったかなあ(笑)。