時をかける少女

K1009

 吉祥寺バウシアターで、細田守監督作品「時をかける少女」を見てきた。
 このアニメーション作品を鑑賞するのは、2回目だ。

K1010

 僕が気に入ったのは、そこに描かれる風景。

 あんなに底抜けに青い夏の空、もう何年も見ていないような気がする。

 その空の下にある町は、僕がよく知っている場所だった。

 主人公達が、毎日のように野球をして遊ぶ野球場は、子供の頃少年野球をした中野哲学堂公園だ。そして、主人公の自宅は、僕の祖父母が住む新宿区中井。最初に見たとき、ひとめで「似てる」と思った。実際、哲学堂と中井がモデルであるらしい。哲学堂の野球場、申し込みが必要なんだけどな……(笑)。ということは、あの学校は東亜学園だろうか。

 さて、ネットを見ていると、この作品、とにかく評判が高い。

 たしかに、いい作品だと思う。雰囲気としては、「耳をすませば」をSFにして、もっと現代風に仕上げた感じ。「エヴァンゲリオン」の貞本義行がキャラクターデザインを担当したというが、どことなく、"良き時代のジブリ"も彷彿させる。

 ただ、じゃあ映画史に残る金字塔なのかと言えば、どこか、なんとなく、ちょっとだけ、物足りない。

 物語自体が、夏のほんの数日を描いていることもあってか、「とてもきれいにまとまった小品」という印象なのだ。

 「5年後の真琴は、○○の顔をはっきり思い出せるのだろうか」。

 そんなひねくれたことを思ってしまった僕は、オッサンになったのだろうか。
 劇場ではこれで充分だが、DVDでもう一度じっくり見たい作品だ。