水仁線廃線跡を歩く~ソレ鉄橋編

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 漢陽大前駅から、4号線は水仁線の路盤に沿って走っている。安山駅付近で再び線路跡を見ることができるが、そこから先はわからない。

 終点の烏耳島(オイド)駅から、タクシーでソレ浦口へ。ここは仁川広域市と京畿道始興市の境にある湾口で、水仁線のソレ鉄橋が、人道橋として今も利用されている。
 この橋が興味深いのは、当初臨時の人道橋として整備されたので、最低限の工事しか施されておらず、鉄道時代の姿をそのまま残している点だ。橋の上に金網と手すりを設置しただけで、金網の下にはレールも敷かれたまま。そのため、最近では橋自体が観光名所となっていて、家族連れの姿も多い。橋を渡り、漁港を眺め、魚を食べるのがソレ浦の定番コースだ。

 橋を渡って仁川市側に入ると、軌道跡の築堤がそのまま歩道になっており、屋台まで並んでいる。100mほど進むと人通りが少なくなり、次第にゴミ捨て場の様相を呈してきたので表通りへ。標識を見ると「ソレ駅4路」と書かれてあった。ここは駅前通りだったようだ。

 てくてく歩いていくと、「ソレ駅3路」「ソレ駅2路」と数字が小さくなっていく。この先、「ソレ駅1路」の前が、かつてのソレ駅のはずだ。「ソレ駅駐車場」があり、その向こうに、市内バスの停留所が見えた。ここが国鉄水仁線ソレ駅跡だろう。

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 バスの裏手にまわると、そこはまぎれもなく鉄道の駅だった。廃墟となってはいるが、駅舎も残っている。ホームは周囲を埋め立てられ、地面に埋め込まれたコンクリート区画のようになっていた。

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旧ソレ駅改札口

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周囲を埋め立てられたソレ駅のプラットホーム跡
こちらのサイトで、現役当時の水仁線、ソレ(蘇来)駅の写真をみることができます。

 駅の跡は、漁師たちの物置場になっているようだ。ヤブ蚊がひどく、かなり荒れている。すぐ手前のソレ鉄橋が、華やかな観光地になっているのとは対照的な姿だった。