2001年2月、語学学校を見学しにソウルへ来た時のこと。観光公社の知人と延新内で酒を飲み、新村のホテルへタクシーで戻ろうとした。運転手に「シンチョン、ロータリー」と伝えて、後部座席へ。新村までは、15分くらいのはずである。
それから20分。どうもおかしい。タクシーは漢江沿いに出、東へ向かって走っている。すでに新村ははるか後ろである。
”Where are you going now? I said go to Shinchon!”
つたない英語で文句を言ったが、運転手は、「イエス、シンチョン! オーケイ!」と言ってニヤニヤ笑った。
……おっさん、新川に行こうとしているな。
ソウルには、延世大学のある新村とは別に、もうひとつシンチョンがある。江南・蚕室の新川だ。新村とは、「チョ」の字の発音が微妙に違う。
いくら僕の発音が悪いといっても、シンチョンロータリーといっているのだから、延世大学の新村のことを言っているのは明らかだ。わざと聞き間違えたふりをして、20km先の新川まで行って料金をふんだくろうとしているのである。さあ、どうする。
そのときである。そのタクシーには、もう一人、助手席に若い会社員風の男性が乗っていた。その彼が、何か韓国語で運転手に言った。運転手がニヤけながら答え、また男性が話す。何度かやりとりが繰り返され、次第に男性の語気が荒くなっていく。ついには怒鳴り合いの様相を呈し運転手は舌打ちをしながら車を停めた。
「降りてください。この運転手は嘘つきです。料金を払うことはありません」
男性が、流ちょうな英語で促した。
ありがとうございます、と礼を言うと、彼は「まだまだ韓国には、外国人を騙すタクシーがたくさんいます。本当に恥ずかしいことです」と言って名刺をくれた。サムソン生命、チェ・ヨンジュン。
彼は、新村方面の道路まで僕を連れて行き、タクシーを止め、運転手に僕を新村ロータリーまで連れて行くよう伝えてくれた。
「では、お気を付けて。韓国の残りの旅が、良い旅になりますように」。
あやうくぼったくりに遭うところだったが、彼のおかげで、韓国の印象は逆に良くなった。まだ、韓国という国がほとんど見えていなかった時代の話である。その後、ヨンジュン氏には何度か連絡をとったが、会えないうちに海外転勤となって、今に至っている。
コメント
自分もそんな経験があります。何年前か専門学校の友達と韓国に行ったとき深夜タクシーに乗ったんですけど、僕が友達と日本語で喋ってるから日本人だと思ったのか、目的地の反対方向に行こうとしてるので指摘したらビックリしてすぐ戻しましたけど。何であんなことするのか恥ずかしかったし不思議でしたよ。–;もっと責任感をもってほしいですね。タクシー運転手も立派な観光ガイドというのを。
最近は、あまり聞きませんけどね……。
僕が、韓国語を喋るせいかもしれませんけど。
その一方で、乗客に冷たいヤクルトを1本くれる一般タクシーというのも、ありました。タクシー運転手もいろいろ大変なんですねぇ。
まあそんなことは最近はあんまりないことかも知らない。
でも、韓国人の僕が言っても聞き間違えて他のとこに行ったりする時がある。でも、’今どこに行かれるんでしょうか?’と言って’僕が言ったのはこちではないす’と言ってからまた回っていく時がある。でも、時によって違うけどある時は回った分まで料金を請求する人もいるし、ごめんなさいと言ってある程度の金額は下げてくれる。
でもとちとも頭にくるのは同じ。
でも、それでなんか文句を言ったりする人はあんまりいないと思う。特に男性は。
めんどくさいし、”おかねをもらいたいんであればやるわ”の感じのことを行動で明らかにする。感じ悪く支払う。ポーィと
ここには書けないけど降りながら一語と強くゆっじゃう。
でも、日本人だからわざとする人は少なくなったと思うのであんまり気にせんといて。
そんなのまったく同じではないけど、日本で韓国人だから乗車を拒否されたことがある僕には。。。
そう言えばベトナムのタクシーはよかったな。
変なとこまで行きました。 以上です。
韓国人がみんなそうだということではない。僕は韓国代表もはない。ただ、普通の韓国人の中の一人でこんな考えで過ごしてます。
もう、全然気にしてないんだけど(笑)。3年前の話だし。
日本も、しょーもないタクシー運転手いるよなあ。
バブルの頃は、ひどかったらしい。最近は、さすがに減ったけど。
韓国のタクシー、仁川空港の客引きだけはやめてほしいけど、全体にレベルは上がってますね。