ニューかめりあ

 釜山から福岡へ出国。
 取材やビザのために福岡へ出るのは、これで3回目。福岡-釜山間は、JR九州のジェットフォイルをはじめとする航路が多数就航しており、九州では、韓国旅行といえばまず船を思い浮かべるほど船便が定着している。
 いままでは、JR九州のジェットフォイル「ビートル」を利用することが多かったのだが、今回は、今月新造船を就航させたばかりのフェリー、「カメリアライン」を利用してみた。
 この船の釜山出港時刻は、夜23時。だが、乗船開始は夕方18時からだ。なぜか。
 「公務員たる出入国審査官の退勤時刻を優先させているため」。
 つまり、19時前に乗客を船に詰め込むと、出航まで4時間を残して審査官さまはご自宅にお帰りになってしまうのだ。さすがは、大韓民国の公務員さまである。
 まったく韓国の公務員は…、とぼやきつつ、免税のビールを飲んだり、無料の展望台浴場に入ってくつろいだ末、翌朝5時に福岡港に接岸。お客様は神の国、ニッポンに到着だ。
 だが、ここでわれわれは、日本と韓国というふたつの国の類似性をかいま見ることになる。
 乗客の下船開始は、3時間後の8時から。もちろん、公務員たる出入国審査官のご出勤に合わせているためだ。さすがは、日本国の公務員さまである。