スキージャンプ・カンチルグ

▲千戸洞・現代デパートにて。
ひさしぶりに、スキージャンプ韓国代表・カンチルグに会った。
茂朱のサマーグランプリから4年。韓国ジャンプチームは相変わらずの低空飛行だが、ここぞというところで驚くような成績を残してきた。2002年ソルトレイクシティオリンピック団体戦では、ジャンプ発祥国のノルウェーを破って8位に入賞し、翌年のイタリア・タルヴィジオ冬季ユニバーシアード大会ではカン・チルグを中心に金メダル2つ、銀メダル1つの大活躍。続く青森冬季アジア大会では、団体戦で船木和喜擁する日本を破って、金メダルを獲得した。この活躍によって、チルグら韓国代表4人は兵役を免除され、2006年トリノ、2010年バンクーバーへ向けて、競技に集中できることになった。
そんなすごい選手のはずなのだが、目の前にいるカン・チルグは、ごらんの通りめちゃめちゃ素朴な少年である。
2000年の時は高校1年生だったチルグも、今や大学2年生。韓国のトップアスリートが集まる、韓国体育大学に通っている。先週まで茂朱のジャンプ台で合宿していたが、中間試験のためソウルに来た。大学入学以来、ソウルと茂朱を往復する生活で、冬には海外遠征も加わるため、なかなか落ち着いた生活ができないそうだ。ゆっくりデートもできないので、彼女がいないのが悩みとか。そんなチルグは、今年の後半か来年から、ドイツへのスキー留学を考えている。結果は残しているものの、まだまだ世界のトップとは歴然とした差がある。ジャンプの本場で、チルグ自身好きなドイツで、じっくり技術を磨きたいのだと言う。
2010年の冬季オリンピックはカナダ・バンクーバーに決まり、韓国は2014年の大会誘致を目指している。現時点では、茂朱と平昌が候補地を争っている状態だ。茂朱ジャンプ競技場は施設を全面的に改修中で、一方の平昌は、「冬のソナタ」の舞台でもある竜平リゾートに、新しくジャンプ台を建設している。相変わらず競技人口は一桁だというのに、ものすごい力の入れようだ。
チルグらの活躍で、少しずつジャンプ競技の知名度も上がってきた。茂朱を舞台にした人気ドラマ「夏の香り」では、スキージャンプのシーンが検討されたと言うし、今はジャンプをテーマにした映画の話もあるらしい。今後も目がはなせない、韓国スキージャンプである。
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▲2002年10月大韓選手権。アスリートの顔のチルグ。
ちなみに、今のほうが太っているのは、国際ルールの変更で
身長に合わせて最低体重が決められたため。

コメント

  1. 書記長 より:

    予告してもらっていたのに、見逃していた書記長です。
    船木に勝ったのは先日お聞きしましたが、冬季ユニバで
    金2つに銀1つってマジでスゴイ!
    競技人口一桁でこの成績って競技人口増えたら日本ジャンプ陣も
    うかうかしてられないんじゃないですかね?
    しかも兵役免除って…
    サッカーで兵役免除貰うより確率的にはジャンプの方が、
    可能性高いですな。早速若者にメールしておきますw

  2. かんりにん より:

    実は、冬季ユニバーシアードのジャンプって全然権威ないんですよね。大学生でも、有力な選手はW杯やその下のコンチネンタルカップに出てるから、かなり適当な選手しか出てきません。
    それよりは、むしろ冬季アジア大会じゃないですかね。
    一昨年、韓国チームが「冬季アジア大会で金とって、兵役免除勝ち取るぞ~」とか気勢を上げているところへ、僕が「あ、舟木と東出ますよ」って言ったら、「そ、そんなぁ~!!」と思いっきり盛り下がってしまったものです。
    兵役免除を勝ち取るなら、マイナー競技で冬季アジア大会に出るに限りますよ。ねらい目は、カーリングあたりかしらね。

  3. リーフ より:

    韓国スキージャンプをテーマにした映画「国家代表!?」の試写会に行ってきました。
    エンディングに流れる1枚のスナップ写真。。。
    止まらない涙を拭いながらしっかりと目に焼き付けてきました。
    今後韓国チームの活躍に目が離せない気がしました。
    「国家代表!?」笑いあり涙ありの映画・・・オススメです!・・・映画化されるまでに6年もの月日がかかったのですね・・・感無量です。

  4. かんりにん より:

    リーフさんこんばんは。「国家代表」、ご覧になったんですね。
    ジャンプのルールはちょっとアレですが、エンターテインメントとして良質な映画に仕上がったと思います。
    リアルの国家代表たちは、今もかなり苦労しながら競技を続けています。来年1月に札幌大倉山で行われるワールドカップには参戦するはずですから、ぜひ注目してみてください。