買えない、フイルム

買えない、フイルム
 
 あちこちの観光地を眺めてきたが、改めて思うのは写真フイルムが今や絶滅寸前ということだ。
 少し前まで、観光地の売店と言えば、フジのネガフイルムを置いているのが当たり前だった。今でも「フジカラー」のペナントを掲げている店は多い。
 しかし、今やフイルムを置いていない売店が激増している。「写ルンです」はあるが、通常のフイルムは、ないか、あってもISO400の27枚撮りだけ。僕がほしいISO100なんて、絶対に置いていない。
 APSフイルムをよく見かけたり、旧デザインのパッケージが多いところを見ると、今フイルムを置いている店も、在庫が余っているということのようだ。
 デジカメが普及し始めた頃、「フイルムはいずれ消えてなくなる。ただし、レンズ付きフイルムだけは、最後まで残るだろう」と予言した人がいた。まさかと思ったものだが、それはまさに的中しつつある。
 旅から帰り、現像に出した写真が出来上がってきたときのワクワク感。あれは、過去の思い出になってしまうのだろうか。