DJI Osmo Pocket を先行体験

虎ノ門のDJIストアで行われた、Osmo Pocketのタッチ&トライイベントに参加してきた。

Osmo Pocketは、ドローンメーカーのDJIが開発した超小型ジンバル一体型カメラ。3軸方向に手ブレを補正するスタビライザーのついた超小型4Kムービーカメラだ。手のひらにすっぽりと収まるサイズは、ブレ補正装置として発展してきた「ジンバル」の歴史を変えるほど魅力的だ。

このカメラは、ブレのない映像を撮影できるだけではない。人や猫、あるいは列車など、画面内で動くものを自動的にトレースしてくれる。上下左右あらゆる方向を向けるので、自撮りやイベント動画にも最適だ。

驚くほど小さい。モデルは某鉄道会社のTさん

きっと、実物を触ったらすぐにも欲しくなってしまうだろう……と思っていたのだが、それは半分当たりだった。

確かに、魅力的なカメラだ。胸ポケットにすっぽり収まるサイズ。画質・音質ともに素直で申し分ない。物理的にスマホに接続できるのも魅力で、細かく設定したり、撮影してすぐにスマホ上で編集できたりする。これを所有したら、日常から旅まであらゆる場面を記録したくなるだろう。

一方で、実際に触ってみると気になる点もあった。

まず、画角だ。Osmo Pocketは、GoProなどのアクションカメラのような超広角レンズではなく、35mm換算で26mmほどのレンズを備えている。だいたい、今のスマホと同じか、わずかに狭いくらいの画角と言って良いだろう。スマホに接続して撮影できるのは便利だが、フィックス主体の動画ではさほどインパクトはない。

グループで自撮りをするには画角が狭く、手を思いっきり伸ばしても4人くらいが限度だろう。パーティーを撮るなら自撮りは難しいが、三脚のネジ穴はないので、オプションが必要になる。

動きながらの撮影では、フレーミングに気を遣う必要がある。GoProなどのように、身につけて一部始終を撮影するのではなく、きちんと意思を持って何かを撮影するデバイスだ。しかし本体のモニタは1インチと小さいので、動きながらの撮影には慣れが必要だ。

2種類の着脱式コネクタを標準装備しており、スマホに接続できる

もう一つ気になるのが、ファイルサイズだ。最大4K/60fpsを100Mbpsのビットレートで撮影可能だが、これは1分あたり約750MB、1時間で約45GBを消費する。最低画質のフルハイビジョン/30fpsでも、撮影してみたところ1分あたり250MB、1時間で15GB必要となる。これは、iPhoneの標準カメラで撮影した場合の、だいたい2~3倍のデータ量にあたる。

手軽に撮影でき、スマホへの転送も簡単なだけに、あっという間にスマホのストレージがいっぱいになりそうだ。光コラボレーションなどでは、1日に15~30GB送信すると速度制限がかかるプロバイダもあり、GoogleフォトやiCloudで動画のバックアップを取ると簡単に制限されてしまうかもしれない。

手軽に撮影できるデバイスなだけに、スマホやネットで手軽に扱える軽いモードがほしいと思う。

OsmoPocketの気になる点をあれこれ書いてみたが、極めて魅力的なカメラであることは間違いない。たぶん、買ってしまうだろう。年内の入手は難しそうだが、15日の発売が楽しみだ。