ちょっとこの秋はいろいろ買いすぎだと思いつつ、仕事の能率が上がるなら何でもやるよと、ツクモの特価セールに乗じてASUSのChromebook「C302CA」を購入した。ほぼ100%、原稿執筆のためのPCだ。
このPC、スペックはCore m3に4GBメモリと、Windowsなら最低レベルのスペックだが、信じられないくらい高速で動く。電源オフから起動まで約7秒。起動してからも「待つ」という言葉を忘れそうになるくらい、ツルツルと氷の上を滑るかのようになめらかに動くのだ。
C302CAをはじめとするChromebookが採用しているChromeOSは、GoogleがリリースしているOSだ。Windowsに似ているが、アプリケーションをPC内にインストールせず、作業はすべてウェブブラウザのChrome上で行う。データやファイルも、クラウドサービスであるGoogleドライブに置くのが原則だ。余計なプログラムやデータを溜め込まないので軽快に動作し、悪意のあるプログラムに攻撃される危険性も低い。
安くて安全ということで、アメリカなどでは教育市場を中心に大きなシェアを持っているのだが、日本ではなかなか普及しない。「Web閲覧に特化した安物」という誤解が広まっているからだ。
しかし、Chromebookは、意外なほど使える。Googleドキュメントを使えば、テキストや表計算、あるいはスライドショーをサクサクと作れるし、マイクロソフトOfficeで作成したファイルも閲覧したり編集したりできる。スマホやデジカメで撮影した写真は、Googleフォトに入れておけばレタッチできるし、電子書籍やYoutube、Amazonプライムビデオなどの動画サービスも鑑賞できる。極端な話、できないのはeTaxくらいのものだ。
そんなChromebookの中でも、C302CAは飛び抜けて高性能だ。キーボードはMacBook Airを彷彿させる素直な配列とタッチで、キーピッチ19mm、キーストローク(押した時の深さ)1.4mm。変に小さなキーは皆無で、長時間入力しても疲れない。バックライトがあるのも便利だ。トラックパッドの感触は、MacBook Air以上に高級感がある。バッテリーは公称10.2時間で、ヘビーに使っても8時間は持ってくれる。宿泊出張でなければACアダプタを持ち歩く必要はなく、いざという時はモバイルバッテリーで給電することも可能だ。
液晶は12.5インチの1920×1080Pixelの10点マルチタッチIPS液晶 。ただし、フルHDでは文字が小さくなりすぎるので、購入時は1536×864Pixelに拡大表示されている。ヒンジは360度回転するFlipタイプで、様々なスタイルで使うことができる。
本体の左右両サイドに配置されたスピーカーもまずまずで、ハイファイサウンドとは言えないが、こもったりシャリシャリ言ったりすることもなく、クリアなステレオ音声を聞くことができる。
そして、本体サイズはMacBook Pro13インチタイプとほぼ同じ(幅304.4 mm×奥行き210.2 mm×高さ13.7 mm)で、MacBookPro用のケースが流用できる。
この他、インターフェースはUSB-Cが左右に一つずつあり、電源端子を兼ねる。microSDスロットや92万画素Webカメラも搭載している。
これだけの高性能PCが、通常で6万円台、バーゲンを狙えば5万円台で買えるというのはすごいことだ。重量は約1.2kgで毎日持ち歩くにはちょっとだけ大きく、ペチペチという打鍵音も少しあるが、今まで使った数多くのPCの中でも、いちばん原稿書きが捗る。最近、仕事の取り掛かりが遅いので、こうした道具を活用して効率を上げていこう。