東京おもちや美術館10周年記念式典

21日土曜日、四谷の東京おもちや美術館で、開館10周年記念式典が行われた。
東京おもちや美術館は、旧四谷第四小学校の校舎を使った「四谷ひろば」にある、多世代交流のミュージアムだ。単に玩具を展示するのではなく、ボランティアのおもちゃ学芸員とともに、親子や子供同士で一緒に遊べることをコンセプトにしている。近年は、林野庁が推進する国産木材を使った「木育」「ウッドスタート活動」も支援している。

僕は、都営交通沿線ガイド「ぴっくあっぷ」などで何度か取材させてもらった縁でご案内をいただいた。前身となる施設が、僕が生まれ育った家に近い中野の新井五叉路にあり、館長の多田千尋さんがかなりご近所さんだったというご縁もある。

熱気に包まれた会場

近年は全国に活動を広げており、沖縄の「やんばる森のおもちゃ美術館」、山口県の「長門おもちゃ美術館」に続き、7月には秋田県由利本荘市に「鳥海山木のおもちや美術館」がオープン。由利高原鉄道とタイアップして、コンセプトを統一した「おもちゃ列車」や「おもちゃ駅」も登場する。

新宿区長も登壇

式典は講堂で行われ、新宿区長や林野庁長官が祝辞を述べた。僕が中学1年生だった1984年、中野の新井五叉路に「おもちゃ美術館」がオープンした時は、「また中野にナゾの施設ができたぞ」くらいに思っていたものだ。当時、中野はまんだらけが急成長を始め、サブカルの町として有名になり始めた時期。今となっては大変失礼なことだが、「お金持ちの玩具コレクターが自分のコレクションを公開したのだろう」くらいに思っていた。それが、年月を重ねて大成長を遂げ、区長や長官が直接来るほどの活動になっていた。

四谷移転が決まった頃描かれた、東京おもちや美術館のコンセプトアート

2008年にオープンした東京おもちや美術館は、全国の病院をまわって、入院している子供たちをケアする「ホスピタル・トイ・キャラバン」、東日本大震災の被災地を巡回する「あそび支援隊」などの活動を行っている。いずれも、単におもちゃを送るのではなく、ボランティアが子供たちと一緒になって遊んで面白さを存分に伝え、最後はおもちゃだけ置いて帰ってくるという活動だ。近年は、ミャンマーなど発展途上国にもこうした活動を行っている。

中学生の時、「またナゾの施設が(笑)」とか思って、本当にすみませんでした。

式典は、来賓挨拶に続いてパネルディスカッション、そしてスペシャルライブと続いた。ディスカッションには、東京おもちゃ美術館をプロデュースしたミュージアムプロデューサーの砂田光紀氏も登壇。砂田氏は、インダストリアルデザイナーの水戸岡鋭治氏とも縁が深く、JR肥薩線の活性化事業などもプロデュースしている。

スペシャルライブは、移動型おもちゃ美術館座長のKOW氏をはじめとするメンバーによる「ひらけ世界に 東京おもちゃ美術館」「つなげて世界を、東京おもちゃ美術館」。どこか80年代の市民運動を思い出させる、和気あいあいとしたライブだった。

7月オープンの由利本荘を含め、現在全国に4ヶ所あるおもちゃ美術館。ほかにも、富士山や花巻、檜原、岐阜など各地で新設計画が進んでいる。いずれもいわゆる「ハコモノ」ではなく、地域におもちゃ学芸員を育成し、多世代交流を支援する活動だ。これからの活動を応援したい。