テレビを録画するなら全録タイプ


自宅のテレビレコーダーを、Panasonicの全自動DIGAにしてから1年あまり。我が家のテレビ視聴スタイルはすっかり変わった。

もともとは、連続テレビ小説「てるてる家族」を録画するために急遽購入した機械で、妻は呆れ顔だったのだが、今では妻の方が使いこなしている。すべての番組を自動的に録画してくれる全録レコーダー。もう、これなしの生活は考えられない。

全チャンネル全番組を録画してくれるレコーダーというと、多くの人は「そんなにテレビ見ないよ」という。うちも、使い始めるまではそう思っていた。

だが、実際に使ってみると、違うのだ。これは、「膨大な番組を見るための機械」ではない。「後から好きな時に、好みの番組を自由に見るための機械」だ。

うちでは、NHK総合、NHK-BSプレミアム、日本テレビ、TBS、テレビ朝日、フジテレビの6チャンネルを録画している。ハードディスクを増設し、常時過去3〜4週間ぶんの番組を録画してある。

もちろん、これらをあとから「全部」見るわけではない。「時間的に見られなかった番組」、「後からニュースなどで話題になった番組」、「たまたま見たら面白かった番組のバックナンバー」をちょこちょこと見るのだ。「面白そうだけど、わざわざ予約録画するほどは惹かれなかった番組」も、放送から4週間以内ならいつでも見ることができる。ハードディスクには限りがあるので、古い番組から消えていくが、これはと思った番組は通常録画のスペースにコピーして保存することもできる。今流行りのオンデマンドサービスの、とびきり便利なものと思えばよい。

今となっては、全録機を導入する前はどうやってテレビを見ていたのか、全く思い出せない。放送時間に合わせてテレビの前にいるなんて無理だし、事前に見たい番組を予測して、わざわざ録画予約しておくなんて非現実的だ。まだ放送されていないのに、「これは録画して見る価値がある番組だ」なんて、どうしてわかるのか。エスパーかよ。

過去1カ月の全ニュースを見られるというのはとても勉強になるし、ジャンルごとに分類したり、キーワード検索もできるので、思わぬ面白い番組を発見できる。特にBSプレミアムは良質な番組が多い。

これほど便利な全録レコーダーなのに、あまりその価値が認められていないのは残念だ。メジャーなメーカーでは、Panasonicと東芝しか出していない。東芝の先行きが怪しい今、このままではテレビの3D機能のように忘れ去られてしまうかもしれない。

というわけで、これからハードディスクレコーダーを購入するなら、断然全録タイプがオススメだ。

ひとつ、後悔しているのは、対費用効果を考えて、3機種あった全自動DIGAのうち、いちばん安い機種を買ってしまったこと。これほど生活に欠かせない道具になるとわかっていれば、借金してでも最上位機種を買うべきだった。