8月7日、友人のIが急逝した。
家族との旅行中に、事故に遭ったらしい。
Iとは、十代の頃からの友人だった。
他の共通の友人たちと共に、もう20年あまりのつきあいになる。
僕らは、十人あまりのグループだ。
元々、仕事や学校が一緒だったわけではなく、会うのは年に数回だけ。普段はメールで連絡を取り合い、時々集まっては、各地の温泉を旅している。
集合は、宿。解散も、宿。たまたま意気投合する者がいれば、宿の前後で共に行動することもあったが、互いに行きたいところがあれば、個々の判断で行動する。
誰かに頼るわけでもなく、特定の人間が仕切るわけでもない。
意見が違えば激論を交わすが、それを後に引きずることは(ほとんど)ない。
いい仲間なのだ。
だが、突然、Iがいなくなってしまった。
無念だ。
Iは頑固者である。
「こうするべきだ」と思えば、はっきり主張する奴で、若い頃には激論になったことも少なくない。
アルバムや雑誌などの資料を丁寧に整理・保管する几帳面な性格でもあり、僕らの集まりも、日付から参加者まで、しっかりと記録していた。二十代の頃は、いつの一泊会に誰が来たかを記録しようなんて考えもしなかったが、今では貴重な記録である。
Iは、仲間の中ではかなり早い時期に結婚した。
頑固な性格だけに、奥さんと喧嘩したりしないかと正直心配もしていたが、実際には羨ましいくらいの愛妻家だった。結婚してから相当な年月が過ぎた今も、毎年家族旅行を欠かさなかった。
秋にも、また一泊会がある。
彼は、しばらくの間参加することができなくなってしまったが、これからも忘れることなく、彼との「しょうもない思い出話」を語り継いでいこう。
コメント
お別れに立ち会えなかったのは、本当に残念でした。
秋の一泊会だけでなく、今後も「しょうもない思い出話」を続けていきましょう。