遅ればせながら、11日に発表された、ソニーのミラーレス・レンズ交換式デジタルカメラ「NEXシリーズ」について。
最初に見た時の感想は、
「"世界最小"必死だな」
レンズマウントが本体からはみ出してしまうほど小型化してどうするんだ、レンズばかり重くなるんじゃないのかという気がした。僕の感覚では、ちょっとかっこわるい。
一方、スペックは、文句なしに魅力的。
オリンパスのPenシリーズと競うことになる製品だが、APS-Cサイズ+フランジバック18mmでこのサイズ、しかもフルハイビジョン動画のAVCHD搭載はたいしたものだ。撮像素子の小さいマイクロフォーサーズ規格に比べて、ノイズの少なさ、ボケ味、動画など、多くの点で勝る要素を備えている。
下手をすれば、コンパクトデジカメの中・上位機種、デジタルビデオカメラの下位機種をすべて淘汰してしまいかねない。
フランジバック18mmということで、マウントアダプタも多数出てくるに違いない。M42スクリューマウントをはじめ、さまざまな古いレンズで遊べる超小型APS-Cカメラ。うーむ、面白そう。
オートフォーカスの性能が未知数だが、とんでもなく魅力的なカメラであることは間違いない。
ただ、残念な点もある。
最も残念なのが、αシリーズであるにもかかわらず、手ぶれ補正をレンズシフト方式に変更したことだ。アダプタを利用して、従来のαレンズをはじめ数多くのレンズを使えるはずなのに、昔のレンズでは手ぶれ補正が効かない。それに、同じ「αシリーズ」なのに、「本体内手ぶれ補正」と「レンズ内手ぶれ補正」という2つの方式が混在するのはどうなんだろう。もしかして、近い将来ソニーは従来のαを辞める気なんじゃないかとさえ思えてくる。
せっかく、一般的なデジタル一眼レフと同じAPS-Cを採用したのに、標準域の大口径レンズが用意されていないのも残念。35mmF1.8あたりのレンズを用意して、「こんなにボケを生かせますよ」とアピールしてほしかった。16mmF2.8というのは、スナップレンズとしては確かに最適だけど、あまりぼかせない。50mm相当もやっぱりほしい。
さて、こんなカメラを出されて、僕はどうするのか、というと、実は今のところあんまり食指が動かない。
僕はやっぱり古い人間なのか、カメラはなるべく光学ファインダーを覗いて撮りたいと思うからだ。ソニーのαは、700に限る。
まあでも、万が一「E 35mm F1.8 OSS」なんてレンズを出されたら、たぶん一瞬気を失って、気がついたら手に握っていたりするんだろうな。
コメント
とっても参考になりました。
ミラーレス、可変型モニター、大きいセンサー
というある意味デジタルカメラの良いとこ取り
に進化したと思えたNEX-3/5どした。
手ぶれ補正の事は不勉強でした。またE18-55mm
F3.5-5.6ズームも暗いですよねぇ。
少し冷静になりました。
標準域の明るいレンズを想起しつつ
ちょっと勉強します。
こんばんは。キットレンズは、スタンダードなスペックですから、それでいいんじゃないかなって思います。
手ぶれ補正とかも、昔のレンズで遊ぶ人とか以外には、あまり関係ないので、そんなに心配しなくて大丈夫ですよ。
でも、ほんと、明るい単焦点が出たら買っちゃいそうです。