青春18きっぷで身延山

 青春18きっぷ最終日ということで、身延山に行ってきた。韓国から戻る頃には、関東地方の桜はあらかた終わっているだろうと思っていたのだが、先週だいぶ冷え込んだせいで、まだまだ見られるとのことだった。

 新宿駅から、9時02分発のオール2階建て快速「ホリデー快速ビューやまなし」に乗車した。この日は、千葉始発の延長運転で、新宿駅到着時にはすでに2階席はほぼいっぱいだ。2階席からの眺めを楽しむなら、新宿始発の日は8時半ごろまでに並べば大丈夫だが、千葉始発の日は、錦糸町あたりから乗らないと危ないようだ。

 しょうがないので、デッキ付近の1階席に座った。天井が高いので、こちらもなかなか快適だ。

 東中野、勝沼ぶどう郷など、中央本線沿線には桜の名所が多い。勝沼は、今がちょうど見ごろという印象だった。桜に包まれた旧スイッチバックホームは、ちょっと幻想的な雰囲気だ。

「ホリデー快速ビューやまなし」、そして甲府で乗り換えた身延線も、かなり混雑していた。桜シーズンのラスト週末、青春18きっぷ最終日といった要因があるのだろうか。年配の女性グループで、青春18きっぷを手にしている人も多かった。

 身延駅から、身延山行きのバスに乗車した。JTB時刻表では、身延線の列車が13時01分着、バスは13時ちょうどの発車となっており、1分差で発車してしまう超不親切ダイヤのように見えたが、実際のバスの発車時刻は、13時06分。バスの時刻は「2月28日現在」だったので、3月のJRダイヤ改正で変わったのかもしれない。


心臓破りの菩提梯

 身延山に来るのは、去年の12月末以来のことだ。前回は、リクルートの雑誌「コレカラ」の取材だった。春の特集ということで、真冬の取材ながら桜が満開という設定だったのだが、どうせなら本当に桜が咲いているところを見たくなったというわけ。

 しかし、肝心のしだれ桜は、だいぶピークを過ぎていた。

 花びらが舞う境内をしばらく散策し、ロープウェイで山頂の奥院へ。

 この日は、富士山もほとんど見えなかったが、空気が澄んでいたおかげで、見晴らしは素晴らしかった。まるでGoogle Earthみたい……などと表現したら、ネット脳に侵されていることになるのかな。

 夕方、身延駅に戻って沼津へ出て、沼津港にある「魚河岸 丸天」へ。とんでもないボリュームと安さで、以前からお気に入りの店だ。週末とあって込んでいたが、カウンター席に座ることができた。

 おばちゃんの勧めに従い、注文したのは、オコゼ定食・中トロ付き(2100円)。

 10分ほどで目の前に現れた刺身は、やはりとんでもない代物だった。

 ……。

 このオコゼのお頭、グレープフルーツほどの大きさがある。

 宙を見つめるオコゼさんに、ごめんなさいとあやまりつつ、動けなくなるほどおなかいっぱいいただいた。

 帰りは、沼津20時37分発の東京行き。静岡始発の、特急形電車を利用した普通列車だ。1日たっぷり楽しんで、かかったお金は食費を含めて約9000円。なかなかの旅だった。