小学館から、『鉄子の旅プラス』が発売。さっそく購入した。
『鉄子の旅』は、小学館『月刊IKKI』で、2002年から2006年にかけて連載された、菊池直恵さんの漫画作品だ。連載中からジワジワと人気を集めていたが、2007年にアニメ化され、むしろ連載終了後に人気が出た。「ガンダム」しかり、「ヤマト」しかり、終了後にブレイクする作品は、歴史に残る。『鉄子の旅』も、そんな名作のひとつになった。
さて、今回の単行本は、連載終了後の読み切りや、アニメDVDの限定版の特典だった作品などを中心に収録している。通常の『鉄子の旅』とは方向性が異なることから、7巻ではなく「プラス」となった。
僕が、この作品にちょっとだけ近づいたのは、2007年6月。アニメ化を記念した銚子電鉄ツアーに、同行記者として参加したことがきっかけだ。今では韓国よりも鉄道の仕事のほうが多いが、この作品がなければ、今の状況はなかった。そんな思いもあって、懐かしくページをめくった。
中でも懐かしかったのが、DVD紹介の下りで登場する、東映ビデオ宣伝部の”仙人”さんだ。秋葉原で偶然豊岡真澄さんのイベントに遭遇した際、「ぜひ取材してブログなどに書いてくださいよ」と誘ってくださったのが、この方。「鉄子電車お披露目ツアー」が決まった時、プレスリリースよりも早く、直接電話をくださったのも、”仙人”さんだ。それにしても、本当にご本人にそっくりである。鉄子が一段落して、最近はご無沙汰してしまっているが、またぜひ仕事でご一緒したいものだ。僕たちの仕事は、こうして人のつながりが次の仕事につながっていく。
さて、その内容は、ぜひ実際に手にとって読んでみてください。正直に言えば、僕はこの本が出ると聞いた時から、心のどこかで「これは”鉄子&鉄道ブーム”が生み出した産物だ」と思っていた。『鉄子の旅』という作品にとって、普段とは明らかにノリの異なるこの本は、もしかして蛇足なのではないかと。
しかし、ラストの3ページを読んで、それが大変な思い違いだったことに気がついた。菊地さんは、これを描きたかったに違いない。『鉄子の旅』は、幸せな作品だ。「蛇足」なんて考えて、本当に申し訳なかった。
2002年から、足かけ8年に及んだ『鉄子の旅』は、ここにきれいに完結。楽しませてくれて、ありがとう。お疲れ様でした。
コメント
おお、ついに「鉄子の旅」完結ですか!
鉄道のおもしろさを庶民に(えらそうに言いすぎ)伝えたという点では、とても素晴らしいマンガだったと思います。
これからも鉄道文化の振興を願ってやみません。
今日、買ってきて読みました。
完結は残念ではありますが、これまで楽しい話をありがとうという感じでもあります。
「鉄子の旅プラス」
仕事帰り、職場近くの本屋で買ってきました。「鉄子の旅プラス」です。
第6巻が最後だったのですが、連載終了後にいろんな媒体で描いたものを集め、それがようやく単行本になりました。久しぶりの新作「鉄子」、楽しく読みました。
これで最後というのが残念ですが、一段落…
僕は菊池さんにはお会いしたことがないんですが、最後までよくあのスタンスを守られたなあと感心してしまいました。
今後、新作があるのかはわかりませんが、またぜひキクチさんの漫画が読みたいです。