路地裏の遺跡

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一見、変哲のない路地だが

 さて、気を取り直して、先週の九州旅行の続き。

 久留米から、S本と2人で大分へ抜ける久大本線に入った。なんとなく、レンタカーもいいねという話になり、日田駅で駅レンタカーを借りた。

 夕暮れが近づくなか、街道沿いを僕の運転で走っていると、S本が一本の路地を指差した。「ああ、ここやで」。

 路地に入り、すぐ目の前の公民館前に車を停めた。

 突き当たりに、石段がある。

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 そこを上ると……

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 駅があった。

 国鉄宮原線(みやのはるせん)、町田駅跡。1984(昭和59)年に廃止された、国鉄のローカル線だ。

 廃止から四半世紀がたとうとしているが、町田駅のホームと駅名票は、現役さながらの姿で残っていた。まるで、今にもディーゼルカーが入ってきそうな光景だ。

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 S本は、以前もここに来たことがあるそうで、わざわざ僕にここを見せてくれたのだった。

 路線が消えていくのは寂しいが、その遺構をこうして自然な姿で残してくれているのを見ると、ほっとする。、駅名票をこれだけきちんと残してくれているということは、きっとこの駅は、地元の人に愛されているに違いない。

 だが、南側の線路跡にはパワーショベルが入り、整地工事が始まっている様子だった。この区画を、再開発するのだろうか。町田駅が、つぶされてしまわないと良いのだが。

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街道には、さび付いた案内板も残っていた

 相変わらず僕らしい好天が続いていたが、だんだん空模様が怪しくなり、雨が止んだ。この分では、明日は晴れてしまうかもしれない。

 さて、そろそろ、今日の宿に到着だ。