マイクロフォーサーズ規格LUMIX G1

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 31日に、パナソニックから発売された、マイクロフォーサーズ規格デジタル一眼カメラの第一弾、LUMIX G1

 ヨドバシカメラの店頭で触ってみた。かなり面白いカメラだ。いや、カメラ自体はオーソドックス。マイクロフォーサーズという規格が、実に面白い。

 各社から発売されているデジタル一眼レフカメラは、基本的にフィルム時代の規格をそのまま流用している。乱暴に言えば、従来、フィルムが装填されていた位置に撮像素子が置かれているだけである。

 オリンパスとパナソニックが中心になって提唱したマイクロフォーサーズは、デジタル専用に設計された規格だ。従来の一眼レフカメラでは当たり前だった光学ファインダーがない。フィルムカメラ特有の回路がないので、従来の一眼レフカメラに比べて、大幅に小型化できる。

 簡単に言えば、今のコンパクトデジタルカメラと大差ないサイズで、レンズ交換式デジタルカメラを実現できるのだ。

 LUMIX G1は、重さ385g。コンパクトデジカメの高級機、キヤノンPowerShotG10(350g)とほとんど同じだ(ただし、レンズは別)。僕がメインで使っているEOS5Dは810gで、G1の倍以上重い。この差は大きい。

 ただ小さく軽いだけでなく、使い勝手も直感的で悪くない。144万ドットの液晶ファインダーの見やすさと追従性には驚いた。8mmビデオの頃から、数多くの液晶ファインダーを見てきたが、初めて光学ファインダーに匹敵するものが出てきたと思う。

 では、僕はG1がほしいかと言えば、実はあまり心が動かない。マイクロフォーサーズのカメラは、もっともっと小さくできるはずだ。本体重量200g台も、夢ではないと思う。

 来年には、オリンパスから昔の「ペンF」を彷彿させるマイクロフォーサーズ機が発売されるらしい。そちらには、すでにかなり心が動いている。

 オリンパスは、これまでフォーサーズ規格を推進してきたが、なかなかヒット商品に恵まれなかった。フォーサーズをさらに小型化したマイクロフォーサーズを聞いた時は、「売れないから苦し紛れに規格を変えてきた」と否定的に受け止めたものだ。しかし、G1を見ると、これからしばらく、デジカメ界の台風の目になる予感がする。

 良いレンズが出てくれば、旅ものの取材はかなりラクになり、機動力が増す。楽しみだ。