EOS、世代交代の時……?

 仕事のメインカメラは、EOS10Dだ。2003年に発売された600万画素のデジタル一眼レフで、当時の新品価格は19万8000円。

 新品同様の中古品で購入してから、早3年。だいぶ古い機種になったが、まだまだ吐き出す画像はグラビアでなければ充分使える。

 とは言え、この数年で僕の仕事も少しずつ変わってきた。以前は、撮影といえばガイドブックなどに載せる風景写真がほとんどで、ゆっくり丁寧に撮っていけば良かった。それが、最近では料理の撮影だの、伝統芸能公演の撮影だのを行う機会が増えており、10Dでは不満に感じる点、機能不足な点が見えてきた。

 10Dの欠点。何より、動作が遅い。スイッチを入れてから撮影可能になるまで3~5秒待たされる。最もデータの大きいRAWモードで撮影すると、6~7枚撮ったところで本体のメモリがいっぱいになり、メモリーカードに書き込みが終わるまで延々待たされる。

 連射機能が1秒間に3コマというのも、仕事用としては力不足だ。銚子電鉄では、タブレット交換を撮ろうとしたのに、肝心の手渡す瞬間を撮り逃した。

 次に、オートフォーカスの信頼性だ。これも、止まっているものをじっくり撮るなら、何も問題はない。しかし、動いているものに絶えずピントを合わせようとすると、10Dでは全く能力不足になってしまう。被写体の動きを予測して、ピントを合わせ続ける機能はあるのだが、遅すぎて使えない。

 モニターが小さいのも困る。撮ったその場で画像を確認できるのがデジタルの利点なのに、モニターが1.8インチと小さいので、ピントが合っているのかわからない。画像が微妙に傾いていても、気づかないこともある。

 最近の機種に比べると、高感度でのノイズに弱いのも気になる。駅の内部写
真などを撮る時に、ノイズまみれになってしまう。

 他にも、それなりにシャッター音が大きいので、伝統公演を客席から撮る時に周囲の迷惑になるとか、水平を取るのが苦手なので、ファインダーのスクリーンを方眼タイプのものに変えたいのに変えられないとか、そもそもファインダーが小さくて見づらいとか、最新のEF-Sレンズが使えないので、標準域で手ぶれ補正レンズが使えないとか、レンズを交換しているとゴミが入って、写真に写り込むとか、まあとにかく最近の仕事には合わなくなってきていたのだ。

 ……そして、昨日。キヤノンから新型デジタル一眼レフカメラ、EOS40Dが発表された。40Dという型番から分かるとおり、僕の10Dからは3世代後の機種にあたる。

1211

CANON EOS40D

主な機能は以下の通り。

・1010万画素
・スイッチオンから撮影可能になるまで0.5秒。ほぼ瞬時
・sRAWモードで20枚連続撮影可能な大容量バッファ
・1秒間6.5コマの高速連射
・進化した35分割高精度測光と実用的なオートフォーカス
・3インチ23万画素モニター
・ISO1600でも実用的な超高感度撮影
・シャッター音を消す静音モード
・フォーカススクリーン交換可。方眼スクリーンもあり
・倍率0.95倍、視野率95%のまずまず高性能なファインダー
・自動のセンサークリーニング機能
・もちろんデジタル専用EF-Sレンズに対応

……なんのことやら分からない人も多いだろうが、要するに上で延々と書いた EOS10Dの不満を、ほぼ一掃するだけの機能を備えているのだ。加えて、防塵防滴機能も向上し、ハードな屋外撮影でも、簡単には壊れなくなった。

 出し惜しみのキヤノンが、よくまあこれだけの機種を、実売14万円ほどで出してきたものである。

 今、僕は現実に毎日の撮影で10Dの欠点に悩まされている。

 これは……

 神の啓示だろうか。

 発売は、8月31日。えええ、来週じゃん。

 パソコンも買わなくてはならないのに。

 どうしよう。

コメント

  1. TKC より:

    「連射」って(笑)。
    NIKONにシェアを奪われつつあるCANONが、取り返すために投入してきたって感じだね。
    たしかに、これでその値段なら、高くないと思います。
    でも、僕には使いこなせない自信があります(笑)。
    エントリー機で十分でございます。

  2. かんりにん より:

    連写です(笑)。
    canonが取り返すために、というのはその通りですが、スペックではあっさりnikonD300に抜かれましたね。この辺が、出し惜しみキヤノンの真骨頂といったところです。
    ただ、ニコンは、スペックはすごいのに、肝心の画像を比較すると今ひとつぱっとしないということがありました。
    今回はどうでしょう。きちんとした防塵防滴は羨ましいですね。