半日秋葉原ガイド。

E0115

 今日15日は、友人のSさんに韓国語を教える日だった。秋葉原駅前で待ち合わせ。

 なんで、秋葉で待ち合わせなのかというと、この僕に秋葉原を案内してほしいと言うのだ。

 勉強はさっさと終わらせ、「肉の万世」で軽いランチをとってから、交通博物館に入ってみた。5月14日で閉館が決まっているだけあって、今まで見たことがないほど混雑している。旧万世橋駅のホームへ続く階段や、電車の運転台で「ホー!」とか言って踊りまくっている兄ちゃんなどを見物。展示物そのものよりも、案内板のレトロな文字が興味深い。

 「くりはらさん、電車についている、キハとかナハとかって、何ですか?」

 「それは、車両の種類を識別する記号です。キハは「気動車」のキで、ディーゼルカーということ。ハは設備の等級で、普通車を表すんですよ。ちなみにグリーン車は"ロ"で、昔はその上に"イ"と表記される一等車があったんです。"ナ"というのは、動力を持たない客車の重さを表す記号で(以下略)」

 電車のことはよくわからないので、説明するのはしんどい。
 博物館を出た後は、ガード下のカフェ、古炉奈でひといき入れた。

「じゃあ、秋葉原をひとまわりしましょう。どんなところに行きたいですか」
「くりはらさんにお任せします。フィギュアがあるとことか、アニメとか。あ、パソコンのパーツとか売ってるところとかも」

 ……_| ̄|○

 フィギュアやアニメはさっぱりわからないが、とりあえず中央通りを歩けばなんとかなるだろうと歩き出した。そして、僕たちの目に入った店は……「とらのあな秋葉原1号店」。

 神に誓って言うが、僕もこの手の店に入るのは初めてだった。それはそれは大変な体験だった。

「その階段を降りちゃダメです!」
「ダメなんですか?」
「成年向けフロアって書いてありますよ! うえ! 上のフロアに行きましょう。どうじんし、があるみたいです!」

2階に到着。
「……なんか、女の人がいませんね」
「……さっき一人いましたよ」
「……これはなんですか?」
「……等身大フィギュア "ファンタスティック" 、ですか。着替えの服も売ってますね」
「……高いですね」
「……そうですね」

続いて3階。
「……CDいっぱいありますね」
「……どうじんそふと、らしいですよ」
「……安いですね」
「……そうですね」

 だんだん、口数が少なくなっていくのを感じた。

「フィギュアはだいたいわかりました」

 そうですか。良かったです。

 この後、TZONE PC DIY SHOPクレバリーあきばおー俺コンハウスカクタソフマップヤマギワソフトを案内したが、詳しい話は頭痛がするので省略。その代わり、親切な僕の発言のごく一部を記しておこう。

「これはベアボーンといって、CPUやメモリを別に購入してですね」
「これ、全部マザーボード、つまりパソコンの中枢部に当たる部品で」
「好きなケースを選んで……、いや、全部規格品なんで難しくないですよ」
「ここ、DVD-Rの50枚組が安いんですよ」
「こっちはOSなしの棚で、そちらは極上美品の棚。もっと安いのは上のフロアにあります」

 各台詞の最後に「(ハァハァ)」を追加して読むと、よりリアルに伝わるかもしれない。

 17時半、そろそろSさんが帰る時間になった。

「くりはらさん、すみません、夫が待っているので……。今日はどうもありがとうございました。今度は中野ブロードウェイに連れて行ってください」。

 人に喜ばれることをすると、気持ちがいいものだ。