風のハルカ 完結。

 NHK朝の連続テレビ小説「風のハルカ」最終回。不満もあるけど、いいドラマだったと思う。

 主人公が何か大きな夢をつかむとか、いるだけで周りを明るくしてしまうとか、そういうありがちな朝ドラとは少し違った。

 「まんてん」の最後の頃から朝ドラを見ているが、正直言って朝ドラの「お約束」は好きではない。

 主人公は、今どきいそうもないくらい、明るくて素直で純情で可愛い女の子。

 おじいちゃんおばあちゃんが憧れる、「ケータイよりおじいちゃんが好き」とか言いそうな、「いい子」。

 何をやらかしても、結果オーライで都合良く話が展開し、周りの大人たちは、意味もなく主人公に癒される。「○○(主人公)は不思議な子だ。あの子がいると、みんなが元気になる」というセリフもはずせない。

 物語の中盤で、当初示された大願が成就し、後半はネタ切れにあえぐ。

 そして、最後の1カ月で、登場人物たちが次々とくっついて、一丁あがりで大団円。

 いや、「ハルカ」ももちろんそう言うところはあった。ラストのカップル大量生産ぶりは、ちょっと白けてしまった感もある。まあ、今回の場合は、セルフパロディっぽく「わざとやってる感」がぷんぷんしていたので、許せるけど。

 美人でも可憐でもない、天然系の主人公が、たいして根性を見せることもなく、そこにある「今」をできる範囲で生きてきたら、いつのまにかそれなりに成長していた、という流れが心地良かった。毎朝、関西に住む年下の友人のメールを読んでいるような気分。彼女の便りをもうあまり聞けないのは、ちょっと残念だ。こういう感覚こそが、朝ドラの魅力なのだと思う。

 月曜から始まる「純情きらり」。昭和初期の岡崎と東京が舞台で、音楽で身を立てようとする桜子と一家の物語だそうだ。おじさんキラーの宮崎あおいが、三つ編みおさげで東京音楽学校目指して奮闘と、なにやら「お約束」なにおいがしないでもない。脚本が、「ちょっと待って、神様」「アイ’ム ホーム」という、僕のお気に入りのドラマを書いた浅野妙子さんなので、期待はしている。でもな、昭和初期に東京音楽学校に在学って、僕の祖母と同じ経歴なんだよなあ。あおいさんを見て、ばーちゃんを思い出さないように気をつけよう。