身近になったワールドカップジャンプ

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 そんなわけで、札幌遠征中。

 札幌大倉山ジャンプ競技場に来るのは3年ぶり。ワールドカップを見に来るのは、実に5年ぶりだ。

 5年前、2001年大会に比べると、目に見えて観客が少ない。あのときは、長野五輪の記憶が新しく、かなりの数の観客が詰めかけていた。今日の観客は、5年前の半分以下。やはり、日本が強くないと一般的なファンは離れてしまうのだろう。

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 観客が減ったことで、いいこともある。

 以前は、競技を終えた選手は、観客席とは反対側のゲートから退出し、ファンの近くに来ることはなかった。熱烈なファンが押し寄せ、収拾がつかなくなるからだ。

 それが、今日は観客席側にゲートが設けられ、選手は観客のすぐ横を歩いてコントロールタワーに戻るようになっている。選手の写真を撮るのも簡単だし、声をかけることもできる。ファンが減るのは寂しいが、おかげで、選手とファンの距離がかなり近くなったと言えそうだ。

 もともと、ジャンプというのは、ローカル色が強いスポーツだった。今でも、ノーマルヒルの大会は選手と観客の距離がかなり近い。宮の森のサマージャンプ大会は、観客にまじって選手が近所の人と雑談しているし、名寄の大会は地元の人たちによって豚汁が振る舞われるなど、ノリは村のお祭りだ。それが、ジャンプ観戦の大きな魅力のひとつだ。

 日本勢の不振で、ジャンプ競技に本来のアットホームさが戻ってきたと言えるだろうか。これは良いことなのか悪いことなのか。

 韓国代表のチェ・フンチョルに声をかけた。大舞台になるといきなり強くなる韓国代表だが、今日の成績は106m。41位でファイナルラウンドには進めなかった。

「で、今どちらに住んでいらっしゃるんでしたっけ? 韓国?」
「いや、東京だよ。火曜からまたソウルに行くけどね」

 ジャンプファンに混じって、韓国語で交わした会話は、とてもワールドカップの競技中とは思えない。明日は、競技終了後にごはんでも誘ってみよう。