明洞名物が復活

 ソウル・明洞といえば、この男だ。
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 別名、ダッカルビおじさん(たった今命名)。
 明洞の東側ファッションストリート、忠武キンパプ前に立つ、呼び込みのおっさんだ。
「サムギョプサル! ダッカルビ! サムギョプサル! ダッカルビ!」
 と、一度聞いたら頭から離れない歌を歌いながら、道行く人(おもに日本人)を呼び込んでいた。
 もちろん怪しさ120%なので、このおっさんの勧誘にのって店に連れ込まれる人は見たことがない。
 そんなおっさんだが、去年の秋から、しばらく姿を見なかった。
 死亡説も流れ、ミナミから食い倒れ人形がなくなったような寂しさを覚えていたところ、今日突然復活を遂げていた。
 しかし、何かが違う。「サムギョプサル!ダッカルビ!」の名フレーズは姿を潜め、なにやら名刺を配っている。
 よく見ると、僕も何度も取材し、世話にもなっている焼肉店「福清」ではないか。安くはないが、ボリュームがあり、明洞では良心的なほうの有名焼肉店だ。
 「あれ、おじさん、福清の人だったんですか?」
 「こんど、そうなったんよ。君は福清の社長を知ってるの? ああ、取材の人。じゃあ知ってるね。よく宣伝してくれな。頼みますよ」
 つまりは、移籍したということか。
 呼び込みとしての効果はゼロのような気がするが、やはり明洞名物。福清にダッカルビはないので、ぜひ新しい歌を作詞作曲してほしい。