Willcomの定額制プラン

 PHSとのつきあいは、もう10年になる。今だから言えるが、最初は、当時付き合っていた女の子との連絡用だった。その人とはその後まもなく別れてしまったが、PHSは使い続けた。「ピッチ」のイメージが低下していくのと反比例して、通話エリアが拡大していくのがおもしろかった。
 2度ほど番号を変更し、現在の070-5454-xxxxは利用期間が60カ月を突破している。
 さて、PHSのWillcom(旧DDIポケット)が、5月から音声通話の定額制を始める。
 基本料込み2900円で、WillcomPHSあての通話と、メールが完全に使い放題になるプランだ。固定電話や携帯電話への通話も、距離にかかわらず一律それぞれ30秒約10円、約13円となり、携帯と比べても割安感がある。遠距離恋愛の人や単身赴任者には、とても価値あるプランと言えそうだ。
 この2900円という値段。携帯電話の標準的な通話料を20秒10円と考えると、1時間37分ぶんに相当する。1日3分以上使えば元が取れる計算だ。だが、こうした計算はあまり意味がない。定額制というのは、使う方の意識を大きく変えるからだ。「いくら使ってもよい」という状態は、「使っている」という感覚を麻痺させる。電話をかけるという感覚がなくなり、インターホンか、内線電話を使っているような気分になる。北海道と沖縄にいても、内線電話。これはおもしろい。
 だが、僕は、これまで通りデータ通信のみ「つなぎ放題」のプランでいく。定額制を導入する予定はない。なぜか? 僕の周囲で、Willcomを使っている人は3名。父親、母親、そして叔母。両親との電話が使い放題になっても、ロクなことはない。