靖国神社にて

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▲10年ぶりに訪れた靖国神社
九段で時間があいたので、靖国神社に行ってみた。
巨大な二の鳥居の前まで来たところで、黒田福美さんのエッセイを思い出した。靖国神社の境内に、朝鮮人戦没者の慰霊碑があるという。本当だろうか。「軍国主義日本の象徴」、靖国神社に、そんな碑があるとは信じがたい。
にこにこしながらビデオカメラをまわす韓国人観光客を横目に、本殿の裏へ歩いていく。奥の池の近くにあるということだったが、さっぱりわからない。
警備のおじさんが通りかかった。訊いてみようか。でも、なんだか嫌な予感がする。靖国の職員に、カンコク…とか、チョウセン…といった単語はタブーなのではないか。思いきって尋ねてみた。
「あの…この境内に、朝鮮人戦没者の慰霊碑があると聞いたんですが…」
「えっ、チョウセンジン? あなた、どちらさん?」
あまりにも予想通りの反応。どきどきした。でも、後には退けない。
「当時日本人として戦死した朝鮮の方の慰霊碑がある、と本で読んだんです。いえ、僕は単なる参拝者ですが、ふと思い出したので…。ソウルに住んでいたことがあるので、興味があるんですよ」
「そうなの? 聞いたことないけどねえ。その本を書いた人は、日本人? まあ、韓国とも仲良くしなくちゃいけないんだろうねぇ」
いきなり話題がずれた。いかにも社交辞令という態度。やはり、快く思っていないのが伝わってくる。
「個人では日本に親しみを感じている人、多いですよ。日本の歴史観は共感はできないけど、立場はわかるっていう友だちもいますし」
とりあえず思ったことを口にしたのだが、それを聞いた警備員氏は、急に嬉しそうな顔になった。
「そう! そうだよねえ! 立場によって違うんだよ。そりゃ、悪いことはしたかもしれないけど、結果的にあの国を守った面もあるわけだし」
「やっぱり、日本と韓国のマスコミが煽ってるって面があるんじゃないですか。でも、若い人は実際の日本をよく知ってますよ」
「そうそう。それから、共×党と社×党がね…」
話しかけてから1分。もの凄い話の飛び方だが、僕はこの警備員氏に気に入られたようである。この人も、本当は韓国の人を悪くは思いたくないのだろう。
「そういう碑の話は聞いたことがないですね…。お力になれなくてすみません」
結局、慰霊碑は見つからなかった。帰宅してもう一度原文を読んだので、今度もう一度行ってみよう。
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▲保存されている零戦52型
靖国に比較的肯定的な考え方を持っている僕だが、それでも、売店で零戦や戦艦大和と並んで、人間爆弾「桜花」のプラモデルが積まれているのは、ちょっと嫌だった。

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