ドトーリコーヒー

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ドトーリコーヒー。出ました。

ソウル市内、清進洞のソウル観光ホテル前にあるコーヒーショップだ。メニューも内装も、本家ドトールコーヒーそっくり。

この店が、他のパクリと少し違うのは、「以前は本当にドトールコーヒーだった」ということ。少なくとも去年の春頃まではドトールだった。
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▲ドトールの「ル」を書き換えただけ。
ドトールコーヒーは、詳しくは知らないが、10年くらい前にFC(フランチャイズ)で韓国に進出したようだ。一時はソウル市内のあちこちに出店したが、150円ほどのコーヒーでちょっと一息というコンセプトは、韓国では早すぎた。当時、韓国の喫茶店と言えばゆったりしたソファで麦茶のようにうすいコーヒーを飲み、何時間もくつろぐところだった。女性を紹介するような店も多く、社会的な認知度は極めて低かったのだ。やがて店舗は陳腐化し次々閉店。一時は完全撤退も時間の問題と思われた。

ところが、スターバックスが韓国に進出し、シアトル系コーヒーショップがブームを起こすと、流れが変わった。「テイクアウトコーヒー」と呼ばれるスタバを小さくしたようなカフェが続々とオープンし、座席は小さくても良いから、200円程度で気軽にコーヒーを飲むというスタイルが、急速に定着したのだ。
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▲テイクアウトコーヒーチェーンのひとつ、EDIYA ESPRESSO

そこで、ドトールは再びやる気になり(FCがやる気を出した、という方が正しい)、一昨年ごろから新タイプの店舗を明洞に登場させた。金のないオヤジが行く店というイメージがあったせいか、しばらくは週末でもガラガラの穴場的存在だったが、最近少しずつ客が入り始めたようだ。
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▲日本のドトールと変わらない、明洞の新型ドトール
その一方で、陳腐化した店はどんどん淘汰が進んでいる。清進洞店もそうした店のひとつ。営業権を譲渡したのか、以前のFCオーナーがそのまま始めたのか知らないが、きわめて明快、韓国らしい変身だ。全然違う名前にして、新しいメニューを入れたるなどして差別化を図った方が良いと思うのだが、これも文化の違いだろう(?)。ちなみに、「ドトーリ」とは韓国語で「どんぐり」という意味で、「ドトーリコーヒー」すなわち「どんぐりコーヒー」である。まあ、可愛いといえばかわいいと言えないこともない。お暇な方は、なくなる前にどうぞ。

後日談は、こちら

コメント

  1. min より:

    先日、はじめての韓国旅行で、トドーリコーヒー近くの韓国旅館「セジョンファン旅館」に泊まっていました。
    ドリーリコーヒーで朝食を食べた時、あまりにも日本のドトールと似ているにも関わらず(使っている什器、店頭に売っている豆などはドトールのもの。でもホットドックに使っているパンは違う味でした)、表の看板はなぜ「ドトーリ??」と一緒に行った友人と帰るまで議論していました。
    友人は、「ドトールが韓国人の発音に会わせたのでは?」、私は「いや、商標をそんなに簡単に変えるわけないし、明洞は日本と同じドトールじゃない!」といった具合。
    このサイトを見て納得しました。

  2. かんりにん より:

    minさん、はじめまして。
    ドトーリはかなりわかりやすいのですが、こうしたドトール崩れ?の店は、市内にけっこうあります。木曜日に見たところでは、鍾路3街の店も内装はそのままに、全く別の名前で営業していました。
    そういえば、明洞駅の近くの本家ドトールは、少しずつ韓国人の客も付いてきたようです。空いているのは変わりませんけど。

  3. min より:

    かんりにんさん。レスありがとうございます。
    このページのあるEDIYA ESPRESSOにも行ってきました。
    サイドメニューにおにぎりがあって、かなり不思議な印象を受けました。
    価格はちょっとスタバより安いけど、日本の相場と比べるとまだまだ高い・・・。
    そして、韓国のコーヒーって、概ね薄い香り水という感じがしたのですが、そのこともかんりにんさんも書かれていたので、またそれも納得。
    韓国のコーヒー文化って、これからなのですかね??
    それとも、韓国人の味覚があのコクのない味を求めているのか??
    コーヒーの味、コーヒーショップの様子など国によってこんなに違うのかと、とっても面白かったです。

  4. かんりにん より:

    日本は世界有数のコーヒー大国?だと思うんですが、韓国のコーヒーも、ずいぶんおいしくなりました。
    韓国のコーヒーが薄かった理由は、豆が貴重だった時代に、出がらしコーヒーが定着したとか、食べ物の味が濃いので、あまり濃く苦い飲み物が好まれなかったとか、単純に誰かが流行らせたとか、いろいろな説を聞いたことがあるんですが、はっきりしません。
    コーヒーがだいぶ濃くなった今も、カプチーノなどにシナモンヤヘイゼルナッツのフレーバーを入れることは多いですね。コーヒーの香りが台無しだ!とか思ってたんですが、今じゃ、けっこう好きだったりします。

  5. min より:

    かんりにんさん。
    早速興味深いレスありがとうございます。
    コーヒーの話題一つにこんなに引っ張ってしまった自分ってしつこいと思いながら書き込みをしてたのに、感謝、感謝です。
    初韓国旅行は、コーヒー以外にも興味深いことばかりでした。
    (大都市ソウルといえども、表通りから一本中へ入れば日本の昭和のような整理されてない生活感たっぷりの風景がたくさん残っていることとか、市内にスーパーマーケットが少ないな~とか、男の人が日本よりもたくましくてかっこいいな~とか、、、、)
    またちょくちょく覗きに来ますね!

  6. はじめまして!
    楽天広場で韓国アルバムを連載している「こだわりマダム」といいます。
    韓国コーヒーに関する記事を書いているところですので、この「ドトーリコーヒー」をTBさせていただきたいと思います。
    よろしくおねがいします。

  7. 韓国のコーヒーについてもう少し探る

    昨日の日記の韓国コーヒーの味について、コメントをたくさんいただきましたので、もう少し詳しく知りたいと思い、他の人のhpやらblogを調べてみると、やはり一様に、アメリカンよりさらに薄く、風味が無い。白湯の様。非常に甘い。非常にまずい。・・・などの記述が目立ち……

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  9. ドトール、韓国より撤退

     【日経新聞】ドトール、韓国企業とのライセンス契約解消・品質水準満たせず ドトールコーヒーは27日、1月末で韓国から撤退すると発表した。ライセンス契約を結んだ現地企業がドトールの想定する商品の水準を満たせず、ブランドイメージが傷つくと判断した。契約を希望する企業が現れ次第、再進出する。
     韓国の店舗はソウル、釜山などに9店舗ある。メニューは日本と同じだが、コーヒー豆以外の原材料は現地調達で、「満足できるレベルではなかった」(同社)。現地企業との資本関係はなく、2006年3月期決算への影響はほと…

  10. ドトール、韓国より撤退

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