そう言うわけで、昨日のWIRELESS JAPAN 2008。時間もあまりなかったので、PHSのWILLCOMを中心に見てきた。
個人的に気になるのは、やはり次世代PHS、WILLCOM COREだ。WILLCOMのブースでは実験機によるデモンストレーションを行っていた。
次世代PHSは、2009年10月のサービスインを予定しているサービスで、現行のシステムでは最大0.4Mbps程度しか出せない通信速度が上下とも20Mbps程度になるという。実現すれば、家庭用ADSL回線並みのネット接続が、全国どこでも使えるということになる。
左の、ノートパソコンが乗っている箱が、次世代PHS実験端末。あれが、来年の秋までには手のひらサイズになるわけだ。右側に実験用基地局が置かれており、2mほどの距離で通信していた。
画面を見ると、確かに約20Mbps、1秒あたり約2.4Mバイトの速度が出ている。これに近い実効速度を実現し、かつ、今の新つなぎ放題(3880円)に近い定額プランを出せれば、最大8Mbpsの通信速度で躍進しているイー・モバイルの強力なライバルとなるだろう。いや、イー・モバイルだけでなく、家庭用ADSLも駆逐してしまいそうなスペックだ。
僕も、国内の取材が増えて、ワイヤレスブロードバンドは必要不可欠になっている。来年のサービスインを期待して待ちたい。
さて、このほか面白かったのが、コンセプト端末の展示だ。中でも、すぐにも「ほしい」と思ったのが、これ。
Eメールマシン。そのベタなネーミングは何とかしてほしいが、単3電池3本で動き、フルキーボードを搭載してEメールに特化した端末だそうだ。どう見ても、かつてのモバイルギアだが、ATOKが載ってくれるなら、原稿入力用端末としてぜひともほしい。
もうひとつ、面白かったのが、「クマフォン」だ。
立派な電話機である。いや、かなり本気の端末らしい。PHSは、低電磁波であるため病院で使うことができる。そこで、入院している児童のための端末として考えたのが、このぬいぐるみ型電話機だ。左右の手をギュッと握ると、それぞれ登録された番号に発信する仕組みだと言う。病室で寂しくなった時、ぬいぐるみの左手を握るとお母さん、右手を握るとお父さんと話ができる……というのを想定しているのだとか。
「たまには右手も握ってくれよ……」
という、お父さんの声が聞こえてきそうではある。
昨日書いたフリスクフォン(ストラップフォン)といい、PHSはこうした小回りを効かせたユニークな端末を出せるのが面白い。