道南トロッコ鉄道

少し前に書いて、そのままになっていたレポート。2018年8月に、北海道木古内町の道南トロッコ鉄道を訪れた。

廃線跡を活用した「レールバイク」が、今静かなブーム。レールバイクとは、レールの上を走る軌道自転車。大自然の風を感じながら走る爽快感と、「ガタンゴトン」というレールの響きを身体で感じるワクワク感を楽しめる。

有名なのは、岐阜県飛騨市の「レールマウンテンバイクGattanGO!!」や、秋田県大館市の「大館・小坂鉄道レールバイク」だが、近年じわじわと人気を集めているのが、北海道木古内町の「道南トロッコ鉄道」だ。2014年に廃止された、JR江差線の廃線跡を活用したレールバイクで、例年4月下旬から11月上旬の土・日曜祝日に営業している。

スタート&ゴール地点は、北海道新幹線・道南いさりび鉄道木古内駅から南西に2キロほどの旧渡島鶴岡駅。木古内駅前の「道の駅 みそぎの里 きこない」でレンタサイクルを利用すれば、15分ほどでアクセスアクセスでき、東北・北海道新幹線で首都圏に直結した、全国で最も手軽に体験できるレールバイクと言える。
道南トロッコ鉄道の基本コースは、旧渡島鶴岡駅である「鶴岡公園駅」から、江差方面に向けて約1キロの区間を往復する。トロッコは、動力付き1両と足こぎタイプ3両の最大4両編成で、往路は動力付きがアシスト。復路は自分でペダルをこいで走る。周囲には牧場や畑が広がり、道南らしいのどかな景色を楽しめる。

渡島鶴岡駅の待合室を改造して使っている

昨年のちょうど今頃、鶴岡公園駅から、トロッコに乗ってみた。旧渡島鶴岡駅の待合室を改造した受付で、1人700円(子供400円、2人から。1人で乗車する場合は2人ぶんの運賃が必要)を支払う。窓口は旧湯ノ岱駅で使われていたもので、窓口に掲げられた「鉄道きっぷ売場」の看板は、松前線の渡島福島駅のものを再利用しているそうだ。

足こぎトロッコは全部で3両あり、定員は大人3〜4人+子供2人(車両によって異なる)。ペダルは前の2席のみ装備しており、後ろの席で運転することはできない。まずは、動力付きの車両に押される「急行キーコ」で出発する。

禅燈寺の境内にある禅燈寺踏切を通過し、右に畑と牧草地、左に林を見ながらガタゴトと走る。途中駅の「令和鶴岡駅」、開業当初の折り返し点だった「北鶴岡駅」を通過して、5分ほどで折り返し点の「キーコの郷駅」に到着。線路はさらに400mほど先までつながっているそうだ。

キーコの郷駅で動力車付きトロッコを切り離すと、スタッフが手持ちのカメラで記念写真を撮ってくれ、あとは自由に鶴岡公園駅へ。3‰ほどの緩やかな下り坂で、ほとんど力を入れなくても、軽快に走ることができる。鶴岡公園駅までは、ゆっくり走って10分ほど。キーコの郷駅での記念写真を含め、20分ほどの旅だ。

いかりん館の江差線資料室

周囲には、道南トロッコ鉄道以外もいくつか見どころがある。鶴岡公園駅に隣接する木古内町郷土資料館「いかりん館」は、2011年に閉校した鶴岡小学校の校舎を活用した資料館。江差線に関する展示もあり、職員の方が親切にガイドしてくれる。本物の縄文式土器に直接触れられるのが楽しい。

木古内駅前で自転車やレンタカーを借りられる

1キロあまり離れたところには、北海道新幹線を一望できる、北海道新幹線木古内ビュースポット展望台がある。本線が三線軌条となっている区間を正面から見ることができ、北海道新幹線と、同じ線路を走る貨物列車を一望できる。

足こぎトロッコで、今も生きている江差線のレールを体感し、最新の新幹線の勇姿も見られる、道南トロッコ鉄道の旅。そろそろ涼しくなってきた今の時期がおすすめだ。