えちぜん鉄道と福井鉄道

福井出張。

少し時間があったので、昨年から始まった、えちぜん鉄道と福井鉄道の相互直通運転列車に乗ってきた。

福井鉄道福武線と、えちぜん鉄道三国芦原線(田原町〜鷲塚針原間)が相互に乗り入れるというもので、えちぜん鉄道に「路面電車」が入線することになった。このために、えちぜん鉄道は超低床車「ki-bo(キーボ)」を導入し、田原町〜鷲塚針原間に低床車用のホームを新設した。僕が乗車したのは平日日中のため空いていたが、朝夕の通学時間帯は満員で、増発が難しいことが問題になっているほどだという。

利用者が順調に延びているえちぜん鉄道。実際、三国芦原線も勝山永平寺線も、なかなかよく混んでいた。福井という都市の規模が、ローカル私鉄に合っているのかもしれない。

僕は、えちぜん鉄道に乗るのは京福電鉄時代の1993年以来のこと。福井鉄道にいたっては初乗りだ。田園風景が広がる三国芦原線と、九頭竜川沿いの河岸段丘を行く勝山永平寺線。そして福井・武生の街なかを走る福井鉄道と、3者それぞれ表情が違うのが楽しい。

えち鉄の乗務員はとても親切。鷲塚針原〜田原町間の乗客は僕一人で、運転しながら「風が強いので鉄橋では徐行しますね」「しばらく空いていますから、楽にしていただいて結構ですよ」と声をかけてくれる。

そして、運転の指差喚呼も実に丁寧。「出発、進行」「注意」「新田塚、発車、45秒延」と、実によく声を出して確認している。かつて、半年に二度衝突事故を起こして事業停止となった京福電鉄の後をついだえちぜん鉄道だけに、安全対策はものすごくしっかりしている。

時間との兼ね合いで福井鉄道の市役所前〜福井駅間だけ乗り残してしまった。また乗りに来なくては。