TOKYOどぶろくフェスタ2012

銀座に残った唯一の踏切

28日土曜日。

かつて、汐留駅から築地市場へ延びていた貨物線の踏切を眺めてから向かった先は、

浜離宮朝日ホール。

この日、浜離宮朝日ホールでは、酒文化研究所主催による「TOKYOどぶろくフェスタ2012」が開催された。今年は「どぶろくvsマッコリ」と題し、日本で販売されている各種マッコリも多数参戦。全国61社から109点の商品が出品された。

去年は、東日本大震災の影響で中止となったこの催し。ビアフェスタのような試飲会をイメージしていたのだが、参加者も全員審査員となって投票するシステムだった。

え、僕も審査するんですか……?

みんな真剣

とはいっても、109種類もの酒を全部試飲して、その味を判定するのは色々な意味でムリ。そこで、20種類くらいずつの酒が4~5つのテーブルに割り振られ、テーブルの中で2つのお勧めをピックアップするというシステムになっていた。

今年は、どぶろくvsマッコリ

しかし、それでも味の良し悪しはよくわからない。

「酒は、ただひたすらに飲むべし」

そんな至言が脳裏に浮かび、審査とかは考えずに飲むことにした。

ところが…

「渡辺徹物語」。どんなものがたりなのか……

「えー、では、そろそろ審査を締め切りますので、審査表をまだ書いていない方はお急ぎください」

投票を促す放送を聞くうちに、投票しないのが申し訳なくなってきた。そこで、試飲したどぶろくの中から直感でふたつを選んで○をつけたのだが、どちらも優秀賞に選ばれてしまった。僕の味覚が鋭敏なのか、それとも、大変失礼なことをしてしまったのか。

辛口の「マッコルリの華」。「マッコルリ」という表記がちょっと嬉しい

それにしても、どぶろくとマッコリをこれだけ一度に飲むのは初めての体験だ。

酒を「食べる」感覚に近いどぶろくも実に旨かったが、それ以上に感じたのが、マッコリの飲みやすさだ。

今回出品されているマッコリの多くは、日本の酒造会社が日本人のために作ったマッコリだ。女性に人気ということで甘めのものが多かったが、どれも万人に受け入れられる飲み口だった。

日本でのマッコリというと、僕は自分の退職送別会を思い出す。

2001年7月、韓国留学を志して会社をやめた際、送別会を上野の韓国料理店で開いてもらったのだ。

当時は、マッコリどころか韓流ブームも始まっていなかった頃。「韓国通はこれを飲む」とかなんとか言ってマッコリを注文してみたのだが、出てきた酒は発酵が進みすぎていて非常に飲みにくかった。注文する人が、ほとんどいなかったのだろう。

あれから11年、今ではチャン・グンソクがテレビコマーシャルでマッコリを宣伝しており、TOKYOどぶろくフェスタのマッコリ部門表彰式では、日本の酒造会社の人が壇上に呼ばれる。

マッコリ部門の授賞式

時代は、変わったものである。