さよなら「北陸」「能登」

Dscf2044上野-金沢間を結んだ寝台特急「北陸」

 明日は、JRの全国ダイヤ改正。それに伴い、各地で、長年親しまれた列車たちが姿を消す。

 中でも、ニュースなどでも頻繁に取り上げられているのが、上野と金沢を結んでいた寝台特急「北陸」、夜行急行「能登」の廃止だ。

Dscf2089国鉄時代の姿を残した、急行「能登」

 時代の流れとはいえ、ボンネットタイプの489系「能登」が消えるのは寂しい。

 子どもの頃、毎年信越本線黒姫へ"疑似"帰省していた僕にとって、上越・信越両線を走る夜行列車は、憧れの存在だった。

Img_7164よくぞ、今まで現役でいてくれたもの。

 僕が初めて乗った夜行列車は、小学校2年生の夏休みに乗った、上野発直江津行きの急行「妙高9号」。3歳年上の姉と共に、上野駅でA寝台ナロネ10の下段に乗せられ、黒姫駅には祖母が迎えに来ていた。約50分停車の長野駅で、次第に夜が明けてくる中、ビスケットを音をたてないように食べたのを覚えている。

Img_7266「急行」の文字がまぶしかった。

 「妙高9号」は、乗車時間5時間ほどのミニ夜行。福井まで直行する急行「越前」、「能登」なら、もっと長い時間乗っていられる。長岡や長野といった大都市を、夜中に通過してしまうなんて、なんとすごい列車だろう……と子ども心に憧れたものである。

Img_7190JR西日本の列車であるため、上野発の列車としては唯一喫煙車があった。

 「能登」は、学生時代に何度も利用したはずだが、不思議と印象に残っていない。最後に利用したのは、2008年の、「日経Wagamaga」の取材だった。思ったよりも多くの乗客が乗っていて、ちょっと驚いた。

Img_7288自由スペースのラウンジカー。酔いつぶれた乗客が寝ていることが多かった。このときは、高崎で降りるはずだったサラリーマンが……。

 しかし、もう座席夜行の時代ではないことは、僕にもわかる。

 長い間、お疲れさまでした。

 今夜の上野駅は、きっと大変な騒ぎだろうな。怪我人などが出ないことを祈ります。

コメント

  1. アイスストーン より:

    最終日の上野駅は20時チョットでも妙な空気が流れてましたよ。いわゆる「撮り鉄」がマスコミにフォーカスされている事が気になります。

  2. かんりにん より:

    今までも、現地ではいろいろと問題が起きていましたし、一度は避けられない道なのかなとも思います。

  3. 見明 より:

    高校が富山市だったので大学受験時にはお世話になりました。
    雪の時期、関越トンネルを抜けて関東平野に着くと晴れて雪も無い車窓に愕然としてましたね。
    大学を出て富山のメーカーに就職したころ、新幹線が通りました。
    平社員が富山の本社と東京本部の往復は夜行でした。よく酒を持ち込んで先輩と乗ってました。

  4. かんりにん より:

    見明さん
    そうだったんですね。僕らは、逆にトンネルを抜けると小説通りに雪国であることに、驚いたものでした。
    今でも、時々歓声のような、溜息のような声が聞こえることがありますね。「ほぉ……」と。