白川郷へ

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  そんなわけで、白川郷に行ってきた。岐阜県と富山県の県境近くに位置し、世界文化遺産にも登録された、合掌造りの集落だ。 

 世界的にも有名な、日本古来の農村風景が残っている白川郷だが、実は訪れるのは初めてだ。なぜなら、ここには鉄道が通っていないから……ということではもちろんない。昔、一度は訪れる予定をたてて、宿の予約までしたのだが、都合で日程が変わってしまい、行くことができなかった。旅のライターを自称しながら、白川郷に行ったことがないというのは非常に気まずい。そこで、今回いくつかの用事にくっつけて、訪れることにしたというわけだ。他の理由は、一切ない。

  さて、高山からのバスに乗って、村営せせらぎ公園駐車場に降り立った。そのすぐ裏手に、野外博物館の「合掌造り 民家園」がある。500円の有料施設だが、まずはここに入ってみることにした。すると…… 

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  あれ、いきなり入口にジャンスンがありますよ? 

 ジャンスンというのは、韓国に古くから伝わる、村の守護神だ。KOREAN.netの解説によれば、「姿が脅威的でありながらも善良で慈しみ深い一面があり、うぶなところも感じられる」らしい。どこかで聞いた設定、いや言い伝えのような気もするが、国は違えど、村の守護神というのは似たようなものなのかもしれない。

  それよりも、どうして白川郷にジャンスンがあるのだろう。受付のおじさんに聞いてみた。 

「ああ、それは何年か前に、韓国の人たちがくださったんです。韓国にも、白川郷のような、昔の集落を保存した村がありまして、ハーホエ、というそうですが、その村と国際交流をしたことがあるんですよ」

  ハーホエ、ハーホエ…… 10秒ほど考えて、安東の河回村(ハフェマウル)のことだと思い至った。 

 ちなみに河回村とは、こんな村↓   
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  民家園の園内には、白川郷周辺から移築された、伝統的な合掌造りの家屋が数多く保存・公開されていた。確かに興味深いが、正直に言えば、ちょっときれいすぎる気もする。 

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  家屋だけでなく、水車小屋なども保存されていた。水車が動く仕組みを見ていると、水の力のすごさを実感する。あの杵の下にいたら、大けがだろうな……。 

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  民家園を出た後は、まず一般的な白川郷観光に出かけた。こちらは、白川郷に保存されている合掌造り住宅のなかでも、特に有名な和田家住宅。天正元年から続く家柄で、庭園などを含む敷地全体が国の重要文化財に指定されている。 

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  昔の家屋特有の、急な階段が怖い。僕が昔生まれ育った家も、こんな感じの階段だった。 

るで、恐ろしい拷問室への入口のようだ……。

  さて、白川郷といえば、合掌造りが有名だが、実際には、合掌造りではない日本家屋も数多い。ここはテーマパークではなく、白川村荻町という、生きた町なのだ。 

 白川郷で見かけた、合掌造り以外の建物を、プライバシーを侵害しないよう配慮しながら、いくつか写真で紹介してみよう。面倒くさくなってきたので、駆け足で行きます。

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  荻町の民家は、合掌造り以外も立派な建物が多かった。

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 多くの民家が、パラボラアンテナを付けていた。

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  展望台へ続く坂道は、普段は大勢の観光客でごった返しているが、タイミングによっては、こんなのどかな風景を見ることもできる。

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   その坂のすぐ隣りにある小さな小屋。農家の作業小屋かもしれない。巨大なはしごが目を引いた。あのはしごで二階に上がるのかとも思ったが、少し大きすぎる。やはり、農作業で使うのだろうか。 

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  医療施設もあるが、「病院」ではなく、「診療所」。大きな病気の場合は、もっと他の病院まで運ばれるのかもしれない。 

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  みごとな三角屋根の洋館?もあった。その佇まいから、有力者の邸宅かと思ったが、公共施設らしい。 

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  こちらは、町の中心にある白川八幡宮。さすがに、立派な神社だ。ここでは、毎年10月14~15日にどぶろく祭りが催される。今はまだ8月だが、隣接する「どぶろく祭りの館」  では、去年の御神酒をいただくことができた。 

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  白川郷には、「○○八幡神社」が多い。こちらは、「道の駅白川郷」 の向かいにある、飯島八幡神社。ここでも、どぶろく祭りが催されるが、こちらは10月18~19日。神社によって日が異なるというのが興味深い。 

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  白川八幡宮で見た、絵馬。さすがは、世界文化遺産の白川郷だ。若い人たちも大勢訪れているようで、かわいいイラストの描かれた絵馬がたくさんあった。「幸せな未来でありますように」、「1人で悩まず、 友だちに相談しよう」、「真人間になりたいです」……。 

 若い人たちも、未来に希望を持っているということか。イラストはよくわからないが、絵馬を見ていると、なにか心が晴れ晴れとした気分になるのだった。

コメント

  1. 匿名 より:

    えー、ツッ込んで欲しいんですか?

  2. かんりにん より:

    なんのことでしょう?はて?

  3. seiichirou より:

    展望台から、裏手に歩いて下ゴソ地区にも行きましたが、観光客も居ず静かで良かったですよ。
    http://d.hatena.ne.jp/seiichirou-02/20090327/1238121603

  4. れの より:

    河回、中国語読みだと、ハーホエに近い音になるかもね。
    階段、急ですね。。。怖いですね。。。

  5. かんりにんこと栗原景 より:

    seiichirouさん
    ありがとうございます。そちらも良さそうですね。きっと
    、またどぶろく祭りの時にでも行く機会があると思うので、歩いてみます。
    れのくん
    中国語だとそうかもなあ。韓国語だと、「ハフェ」であります。

  6. 白川郷 合掌造り集落

    白川郷の合掌造り集落は現存する家屋が114棟も有り、世界遺産にも登録された日本の原風景が魅力。

  7. もっさんと申します より:

    あれはひぐらしですよ、絵馬の絵は。
    俺も行きましたもん

  8. かんりにん より:

    もっさんと申しますさん
    ありがとうございます。いやいや、その辺りは、各写真のアングルを見て華麗にスルーしていただけると……(笑)。