「30秒21円」が”標準的な”通話料金?

 ソフトバンクの「ホワイトプラン」に関する記事を書いた、ビデオジャーナリスト神田敏晶氏のブログが炎上中だ。問題とされたのは、この部分。

30秒あたり料金に隠された「ホワイトプラン」

え、30秒あたり?30秒?この通話時間の表示値は何なんだ?
明瞭会計でシンプルな表示なのか?

通常、電話って3分いくら?という表現が主体で、固定電話の市内なら、3分10円というのが、長い歴史の中の標準の価格体系基準である。そこに30秒とくるから、思わず、電卓をたたいてみたくなった。
(中略)
いまだに「30秒あたり」という姑息な表現を使っているだけで、きっと裏になにかがあると思われるブランドになってしまわないだろうか?
(「KNN神田のITニュースのツボ!」より)

 30秒単位の課金、そして30秒21円という料金設定は、何もソフトバンク独自の設定ではなく、DoCoMoも、auも実施している料金体系だ。ソフトバンクが、他社よりも特別高価ということはなく、携帯電話としては標準的な単価である。課金単位にしても、3分ごとよりも30秒ごとのほうがムダが出にくく利用者に親切だ。にも関わらず、「3分10円」という固定電話の料金(実際には、現在は3分8.4円)と比較して、ソフトバンクを姑息-というか卑怯?-だ何だと批判しているので、「アンチソフトバンクの記事にしても、あまりにも不勉強」と叩かれているのである。

 僕も、この記事はITの専門家にしてはちょっと不勉強だとは思う。

 が、次々と書き込まれるコメントを見ているうちに、ちょっと気になる考えが浮かんだ。

「21円/30秒って、携帯電話の標準的な通話料金ですよね」
「21円/30Secなら標準的な値段でしょ?」
「30秒あたり○○円って現行ケータイ料金の基本課金単位なんだけど」

 コメントを書き込んでいる人たちが言っているのは、「30秒21円は、ソフトバンクだけがやっている姑息な料金設定ではない」ということだ。その料金自体が客観的に見て高いか安いかは、ここでは問題にしていない。

 だが、改めて考えてみると、携帯電話の料金って、やっぱり高いなと思う。

 「標準的な料金」である、30秒21円という料金設定だと、3分通話すると126円。固定電話の市内通話料金と比較すると、実に15倍もの開きがあるのだ。固定電話同士で最も高くなる、100kmを超える県外への通話料金(平日昼間で3分84円)よりも、5割高い。

 昔、携帯電話や自動車電話が、特別な存在だった時代には、携帯電話料金が飛び抜けて高価でもしょうがないと思えた。

 だが、今や携帯電話は、普及台数が1億台に達そうかという、固定電話以上のインフラである。本当に、そんな高い料金を払う必要があるのだろうか。

 神田氏の記事も、「いくら基本料金を下げてインパクトのある安さを演出しても、通話料が現状の高止まりでは、トータルで支払う料金はさほど安くならない」という、携帯業界全体に対する批判であれば、もう少し受け入れられたと思う。

 技術的な話を全く無視して、個人的な感覚だけで言えば、今どきの携帯電話の通話料は、せめて30秒、できれば1分10.5円程度を基本にして欲しいものだ。通話料を大きく下げれば、輻輳の問題が出てつながりにくくなるかもしれない。それは、設備投資の方向が間違っていたとは言えないだろうか。

「基本料金980円自社宛原則無料、他社宛・夜間30秒21円」も良いプランだとは思うが、「基本料金3980円自社宛原則無料、他社宛・夜間1分10.5円」なんてプランが出たら、ものすごく魅力的だ。僕が、地方でやや弱いエリアや貧弱な端末ラインナップを我慢してでも、Willcomを使い続けている理由のひとつが、ここにある。

 携帯電話の料金を高くしている理由のひとつが、電話会社が端末のコストを負担する「インセンティブ」商法だ。これはこれで、高機能な最新機種を安価に購入できるというメリットがあるが、もっと別の選択肢があっても良いように思う。

 例えば、定価が1万円以下のシンプルな端末を用意して、その端末のみに適用できる1分10.5円の安価な料金コースを用意するとか。

 それって、Willcomがやってるじゃん、という気もするが、ソフトバンクなどの携帯電話会社でもやってほしいものだ。本当に、日本の携帯は料金が高い。

コメント

  1. マリークヮントについて

    トラバ失礼いたします。 マリークヮントについてについて記事を書いたのでトラックバックさせていただきました。
    是非一度おこしいただけたら幸いです。迷惑でしたらお手数ですが削除をお願いします。日本の若い女性の間では、マリークヮントはとても人気があります。
    若い女性の間では、マリークヮントの事を、マリクワと呼んでおり、マリークヮントのブランドが好きな人のことをマリークヮンターと呼ぶそうです。…

  2. ソフトバンクのホワイトプランって、知名度が低いのでしょうか…。

    ども!もこ茶です[:ラッキー:][:パン:]
    先日発表のありましたソフトバンクのホワイトプランなんですが、意外と知名度が低いように思えます[:たらーっ:][:ケータイ:]
    もこ茶の周りで、何人かに聞いてみたのですが、誰も知りませんでした[:ひやひや:]
    そういえば、テレビCMもあんまり見ないですね…[:モグモグ:][:テレビジョン:]
    基本料金980円で、大きな引っ掛けも無いわけですから、堂々と言ってもいいような気がするのですが、正直ソフトバンクの戦略がよく分かりません[:ムニョムニ…

  3. 携帯電話の「端末」とは?

    端末(電話機)は単に「携帯」と呼ばれることもある。単純に電話機という意味を表している模様だ。
    また俗称として「ケータイ」「ケイタイ」と表記されることも多い。NTTドコモや電電ファミリーの制作した技術文書では移動機と書かれることが多い。