岡部孝信、異次元を飛ぶ

 岡部孝信、STVカップ優勝。これで、金曜の札幌オリンピック記念(宮の森)、土曜のHTBカップ(大倉山)と合わせて、岡部が3連勝を飾った。

 岡部のジャンプは、すごかった。

 まず1本目。139.5mを飛んで、2位に14.5m/23.6ptもの差をつけた。

 そして2本目。岡部は自らスタートゲートを5段(2.5m)も下げて条件を悪くした。それでも、飛距離は128m。2位に約15pt差をつけての圧勝だ。

 これほど強い岡部、というか日本選手は久しぶりだ。他の有力選手が時速90km台で飛んで飛距離は130m前後というなか、岡部はゲートを3~4段下げて時速88.3kmで飛んだ。それでも飛距離は128m。飛び出しのスピードが1km違うと、飛距離に5mの差が出ると言われているので、岡部は単純に言っても他の選手とは10mの差があると言える。

 だが、岡部は今シーズンまだワールドカップシリーズで表彰台に立っていない(4位が最高)。逆に言えば、それだけ日本と世界に差がついてしまったということだ。だが、岡部なら、もう一度ワールドカップで勝つことも夢ではない。というか、今の状態を保てるなら、それは時間の問題と言える。

 以前は、絶頂期の原田が自らゲートを下げて飛び、「原田ゲート」と呼ばれるなど、日本のトップ選手のレベルは世界でもぬきんでたものがあった。なぜ、今のような低迷を招いたかは僕ごときが言うことではない。ひとつ言えるのは、「ルールが日本に不利なように変更されたから低迷した」という言い訳は、全くの誤りだったということだ。「ルール変更によって飛べなくなった」はずの岡部が、おそらく日本のジャンパー一ともいえる努力によって、これほどのジャンプを完成させているのだ。原因は、別のところにあったと考えるべきだ。

 それにしても、HTBカップといい、STVカップといい、トリノ五輪の宣伝のついでにジャンプもちょこっとやってあげる、みたいな番組構成には呆れるばかり。こんな姿勢だから、ファンが定着しないんだよ、と言ってみる。

 来週は、ワールドカップ札幌大会。

 久しぶりに、ワールドカップが楽しみだ。もちろん、行く。

コメント

  1. 岡部孝信(スキージャンプ)最長不倒で優勝(STV杯国際大会)

    「岡部孝信(スキージャンプ)最長不倒で優勝(STV杯国際大会)」に関連するブロ…

  2. hima より:

    21日からW杯なんですね~!
    札幌にいながらジャンプにはあまり興味が無くて…認識不足でスミマセン。
    ここ数日雪が激しく降っておりまして飛行機ヤバイかもです。
    お気をつけて。