久しぶりの眼科

 この前、5年ぶりに、日本の病院に行った。
 眼科というところだ。
 僕は、ここ1年ほどアレルギー性結膜炎とおつきあいさせていただいているのだが、ここのところ忙しいせいか、夕方になると決まって目がしょぼつく。「痛い」とはっきり思うこともあるので、一度医者に行こうと思っていた。
 近所の眼科は知らなかったので、駅前でたまたま見かけた眼科に入ってみた。
 この眼科、ビルの5階にあるのだが、3階はピンサロで4階はビデオルーム、6階は漫画喫茶という賑やかなビルである。ここに、平日の昼間一人で入っていく僕は、さぞかし立派な人物に見えたに違いない。
 エレベーターのドアが開くと、そこはずいぶんと立派な眼科…、いや、クリニックだった。カウンターに、ぬいぐるみがおいてある。
 受付に座った、かわいい白衣の女性が、にっこりと笑った。「いらっしゃいませぇ」。
 イヤな予感がした。
 みると、コンタクトレンズの店を兼ねているようだ。どうも、こういう小洒落たインテリアで、看護士や助士も外見重視、みたいな病院に来ると、ぼったくられそうな気がする。
 眼科とか耳鼻科って、もっと古い、木造の民家でやってる開業医で、待合室は近所のおじいちゃんおばあちゃんの社交場になっているものだと思っていたが。どうも落ち着かない。
 5分ほどで呼ばれた。診察室に入ると、これまた可愛らしい女医さんだった。
 機械に顎を載せ、目にライトを当てて診察される。
「たいしたことはないですよ。薬を出しておきますので、それがなくなったら念のためまた来てください。もういいです。」
 終了。この間1分。
「1470円になります」。
 国保は3割負担だから、今日の医療費は薬を含めて4900円也。
 やっぱり、ぼったくられたような気がする。
 ちなみに、ソウルでは同じような診察を受けて、全額自己負担で1万1000Wくらいだった。