松本で見た「日本らしさ」

 白馬からの帰り、松本駅で韓国留学時代の友だちと待ち合わせた。
 彼女は松本市からバスか電車で1時間あまりの場所に住んでいる。まずは帰りの時間を確認しようということで、バスターミナルへ。僕は19時30分の高速バスを予約してあり、今の時刻は16時30分。しかし、松本駅前から彼女の町まで行くバスは、18時すぎが最終だ。それ以降のバスは、市内には入らず、高速のインター近くにあるバス停から乗らなくてはならない。時間的には、松本IC19時58分発のバスがちょうどよさそうなのだが、ICまで行く市内バスはあるのだろうか。
僕「あの、すみません、××へ行きたいんですが、松本ICバス停まで市内バスで行けますか」
 窓口には、若い女性が座っている。
係員「はい、××行きは、18時10分発になります」
僕「あ、いえ、そうじゃなくて、このインター発19時58分のバスに乗りたいんですよ。でも、このバスは駅前には来ないから、インターまで行くバスは他にあるのかな、と思って」
係員「高速の松本インターを通るバスですか。(時刻表を見る)それでは、次は17時発の○○行きになります」
 ……_| ̄|○ ソレニノルクライナラ 18ジ10プンハツニノルデショ……
僕「あの、そうじゃなくて、19時すぎまで市内にいたいので、19時58分のバスに乗りたいんですが」
係員「はい、そうしますと、19時58分のバスは、松本インターからの発車、そうですねー」
僕「ですから、そのバスに間に合うように松本インターに行くには、どうすれば良いですか」
係員「そうですね、そうしますとー、松本駅から松本インターへ行くバスは、次は17時発になります
 日本語通じないよ、お母ちゃん!
 しょうがないので彼女は電車で帰ることに決定。夕方の松本城を散策し、駅近くの牛角に入った。ソウルに住んでいた二人が、どうして松本で牛角なんだ、という突っ込みは置いといて。
 メニューを見て、手軽な焼肉とビールをオーダー。彼女は、生グレープフルーツサワーを頼もうとした。
 と、メニューに「生グレープフルーツサワー」と、「生グレープフルーツ&焼酎」のふたつがあることに気づいた。このふたつは、どう違うのだろう。まあ、単純に考えれば炭酸が入っているのが「生グレープフルーツサワー」で、単に焼酎を果汁で割るのが「生グレープフルーツ&焼酎」なのだろう。度数なども違うだろうし、とりあえず店員に訊いてみることにした。やってきたのは、アルバイト風の若い店員。
僕ら「”生グレープフルーツサワー”と”生グレープフルーツ&焼酎”って、どう違うんですか」
店員「はい、えーと、生グレープフルーツサワーは、生グレープフルーツとサワーで、生グレープフルーツ&焼酎は、生グレープフルーツと焼酎です」
 わかんねえよ!
 これって、やっぱりマニュアル社会の弊害かなあ。そろそろマニュアルやめようよ、と思った松本の夜だった。

コメント

  1. 書記長 より:

    アハハ!そういう事ありますね!
    私も神楽坂にあるうどんすき屋で
    「鮎の塩釜焼き」と言うものを仲居さんに
    どう言う料理か聞いた所、
     
        「和食です」
    と言われました。
    女将がいるような店なんですけどねぇ。
    久しぶりに殺意を目覚めさせてくれましたよ。