韓国・茂朱ジャンプ競技場

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▲茂朱ジャンプ競技場のノーマルヒル(左)とラージヒル(右)。2000年FISサマーグランプリ
リクエストにこたえて、韓国のジャンプ台を紹介。
韓国のジャンプ台は、全羅北道の茂朱リゾート内の茂朱ジャンプ競技場が唯一の存在だ。ソウルからバスで南へ4時間、徳裕山国立公園の中にある。
韓国でジャンプ競技が始まったのは、1996年のことだ。ソウルオリンピックの成功を受けて、当時の盧泰愚(ノ・テウ)大統領は、冬季種目もメダルを取れるよう強化する方針を打ち出した。それまでアルペンしかなかった大韓スキー連盟にノルディック(ジャンプとクロスカントリー)とフリースタイル(モーグルなど)部門が設けられ、計画段階だった茂朱リゾートに、本格的なジャンプ台を建設することが決定。1996年、ミニヒルからラージヒルまで、6つのジャンプ台を備える茂朱ジャンプ競技場が完成した。まもなく地元の小中学生からジャンプに挑戦する子供が募られ、数人の中学生が強化選手に指定された。こうして韓国スキージャンプチームはスタートを切ったのである。彼らは、2年後の長野オリンピックに、韓国初のスキージャンプ国家代表として出場することになる。
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▲ラージヒルのスタートゲート。2002年大韓選手権
茂朱リゾートは、韓国がバブル景気に包まれていた時期に建設されたリゾートで、スキー場のほか、ゴルフ場、コンドミニアムなどの施設を備える。毎日ソウルから定期観光バスが往復するものの、足場の悪さから経営は苦しい。
ジャンプ競技場には、ラージヒル(K=120)、ノーマルヒル(K=90)と並んでふたつのミディアムヒルがある。4つのジャンプ台が並ぶさまは壮観だ。このほか、ゲレンデの中に小さな練習台がふたつあり、ジャンプ選手を養成する施設としては素晴らしい充実ぶりだ。だが、その多くはうち捨てられたも同然の状態である。何しろ、競技者が国内に6人しかいないのだ(2003年春まで7人)。それでもドイツからコーチを招いての強化が行われており、2003年の冬季ユニバーシアード、青森冬季アジア大会で優勝するなど、実態以上の成績を収めている。
僕が、そんな韓国ジャンプチームに出会ったのは、今から5年ほど前のことだった。
つづく。
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▲2002年当時の韓国スキージャンプ国家代表チーム(=全競技者)

コメント

  1. 書記長 より:

    ハァ~茂朱リゾートっすか。
    テッキリ龍平かな?って思ってたんですけど…
    2003年まで競技人口7人つーのはちょっと悲しいな。
    部活じゃあるまいし…
    ノルディック競技、モーグルも有ったとはかなり驚き。
    かなり立派なジャンプ台っすね。
    スタートゲート立ってるってのはかなり羨ましい。
    MuJu来期は攻めに行って来ますわ。

  2. きよみん より:

    すごく貴重な写真ですね。韓国内の全ての競技人口が集まってるのだから。
    それにしてもすごい立派なジャンプ台なこと、一人あたりの投資額はものすごそうですね。