「あけぼの」定期運行終了

あけぼの

 関西へ取材に出ている間に、「あけぼの」定期運行が終了。

 国鉄時代から運行されている寝台特急が、終焉を迎えようとしている。

 そのこと自体は、いつか来る日なのだからやむを得ない。蒸気機関車が消え、旧型客車が消え、国鉄型特急車両が消えていくのと同じ流れだ。

 「あけぼの」は21時過ぎ上野発、朝7時秋田着。羽田から朝一番の飛行機に乗っても市内に入るのは9時過ぎだったし、羽後本荘や大館といった街に行くには便利な列車だった。それだけに、寝台列車の中では最後まで高い乗車率を維持していたし、車両もできる限り状態のよいものを充当されていたように思う。

 しかし、寝台列車はやはり今となっては高い。上野から秋田までB寝台を利用するとだいたい1万8000円。羽田〜秋田間には格安航空券が1万円台前半で売られている。前日に秋田入りしてビジネスホテルに宿泊した方がよっぽど楽だ。「あけぼの」にはシャワーもなかった。寂しいけれど、廃止はやむを得ない。

 僕も「あけぼの」は何回か利用したことがある。ここ10年では、2008年、2009年、2012年。数えてみたら結構利用していた。事前に飲食物をたっぷり買い込んでおけば、長時間「国鉄の旅」を楽しめる貴重な列車だった。

 「あけぼの」はまだ完全になくなってしまったわけではない。ゴールデンウィークにはまた臨時列車として運行される。定期運行終了で大騒ぎした列車も、臨時になるととたんに閑古鳥というのがこれまでよく見られたパターン。できればもう一度、乗ってあげようと思う。