先端巨大症1:首もとの腫れ

 首もとが腫れているな……と気づいたのは、昨年、2009年暮れのことだった。左の首もとがぷくっと膨れ、触るとぷよぷよしている。

 何だろう、と思っているうちに、それは少しずつ大きく、硬くなっていった。痛みはない。しかし、次第に違和感が出てきた。のどに、粘土か何かを置かれた感じ。横になると、かすかに喉を圧迫する。

 万が一、悪性腫瘍とかだったら困るな。まあ、でも痛くもなんともないし。どうするかな……。

 2010年2月5日、僕は、行きつけの診療所へ出かけた。

「ここは、甲状腺かもしれないですね」

 腫れを触った内科医は、甲状腺の専門家の診断を受けることを勧めた。だが、この診療所に甲状腺の医師が来るのは木曜日のみ。しかも、次の木曜は建国記念日でお休みだ。その次は2月18日と、ずいぶん先になってしまう。

 診断まで時間がかかるとなると、急に心配になるものだ。今思えば、この時期がいちばん不安だったように思う。悪性腫瘍だったらどうするか。車窓ガイドの執筆が佳境なのに、仕事をそっちのけでネットを調べた時もあった。

 いろいろな症例が見つかったが、呼んでいくと自分の症状は甲状腺癌にぴったり当てはまるように思えた。もしかして、癌なのだろうか。もっとも、甲状腺癌はごく一部の例外を除き、悪性腫瘍の中でも非常におとなしい癌であり、転移のリスクも少ないとあった。30代であれば、5年後の生存率はほぼ100%、摘出手術をすればほぼ完治するという。

 手術になるのかな。まあ、でも命に関わることはないだろう。きっと。たぶん。

 2月13日。友人グループで宇都宮餃子を食べに行った帰り、僕は佐野厄除け大師で珍しく厄除けのお守りを買った。

(入院までの話。この話ばかりになるのもなんなんで、時々続きを書きます)

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