会津・野岩鉄道で遭遇

 5月22日、僕は、会員誌「コレカラ」の取材で会津・野岩鉄道を目指していた。

 北千住から特急に乗り、下今市駅で会津田島行き普通列車に乗り換え。編成の後ろ半分は新藤原止まりだったので、前の車両に行こうとすると……。

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 電車の乗車口に、横見浩彦氏が現れた。

「カゲリくん、なにやってんの」
「雑誌の取材ですけど……。横見さんは、キハ8500ですか」
「いやあ……、まいったなあ」

 横見氏は、"まいった"と言いつつ、あまり困った顔はしないまま、ずんずん前のほうへ歩いて行く。

「こういう……ね!」

 先頭の車両まで来ると、女優の村井美樹さんらがいた。小学館月刊「IKKI」で連載中の、「新・鉄子の旅」の取材だったようだ。この5月で引退する、会津・野岩鉄道の「AIZUマウントエクスプレス」キハ8500ディーゼルカーのお別れ乗車という企画なのだろう。

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AIZUマウントエクスプレス8500系。元名古屋鉄道の特急「北アルプス」に使われていた車両だ

 まもなく、小学館月刊「IKKI」編集部のカミムラさんが、漫画家のほあしかのこさんと共に席へ戻ってきた。

 ほあしさんとは、事実上この日が初対面。ボックスシートに座って、横見氏との関係(苦笑)や、今日偶然会ったいきさつなどを話した。一言一句を、熱心にメモに取るほあしさん。まだ二十歳そこそこ、「新・鉄子の旅」がメジャーデビュー作となる、フレッシュな漫画家さんだ。リュックの一番取り出しやすいポケットに、プリッツの箱が刺さっていたのが印象的だった。

「鉄子の取材は、大変じゃないですか」
「大変ですけど、すごくやりがいがあります!」

 漫画では横見氏に振り回されているイメージが強いけど、実際に会って話をしてみると、とてもガッツのある元気な方だった。

 しばらくご一緒させていただいた後、鉄子一行は竜王峡で下車。横見さん、もしかして「鉄道乙女の小さな旅」の取材プランを使いまわry
鉄道だけではない、"トラベルライター"横見浩彦お勧めのスポットをまわるらしい。下車する前、僕に向かって「カゲリくん、竜王峡ってどうかなあ」と尋ねたり、後で再会した時に「竜王峡、あれなかなかいいね!あそこはいい!」などと発言していたというのは内緒である。

 ちなみに、僕も当初は竜王峡で降りようかと思っていたのだが、向こうの取材の邪魔になると悪いので、川治湯元まで先行することにした。

 鉄子ご一行とは、この後何度か会うことになるのだが、その話は、また次の「IKKI」が出た時にでも。